石油・エネルギー業などのプラントや工場向けの産業用ソフトウェアを提供する英AVEVA Group(アヴィバ・グループ)の日本法人は11月29日、記者会見を開き、今後の事業戦略を説明した。製品のポートフォリオ販売に注力するほか、新規業界の開拓やパートナーとの連携強化に取り組み、産業のデータ活用を支援する方針を示した。
日本法人の小暮正樹・バイスプレジデント・日本統括
日本法人の小暮正樹・バイスプレジデント・日本統括は、日本における販売戦略について「これまでプロダクトを単一で販売するイメージを持たれてきたが、顧客のライフサイクル全体をサポートするために、今後はポートフォリオ販売に力を入れていく」と語った。顧客からのデータ利活用に対するニーズは高まっているとした上で、切れ目のない製品提供によってプラント全体のデータの収集・分析を支援すると強調。サブスクリプションベースで提供する製品を拡大させていくことも説明し、顧客が必要とするソリューションを柔軟に提供していくとした。
販売ターゲットとしては、既存の顧客に加え、再生エネルギー産業や食品飲料業といった新たな業界の開拓にも注力する。拡販に向けては「これまでは直販の割合が高かったが、これからは積極的に再販の割合を増やしていく。販売パートナーだけではなく、アクセンチュアやマイクロソフトといった戦略的なパートナーとのアライアンスの強化も図っていく」と話した。
英AVEVA Groupのピーター・ハーベックCEO
来日した本社のピーター・ハーベックCEOは「コロナ禍などで世界の状況が変化する中で、データを用いた意思決定が重要になってきている」と述べた。一方で「多くの経営者はデータに基づいた意思決定をしたいと考えているが、不完全なデータがあふれ、データ疲れしているという声も多く聞く」とし、「われわれが提供するソリューションを用いることで、データの一元的な管理や必要な情報へのアクセスが可能になり、経営判断を迅速化できる」と語った。(大畑直悠)