クラウド型のコンテンツ管理プラットフォームを提供する米Box(ボックス)の日本法人Box Japanは12月7日、文書の要約などができる生成AI機能「Box AI」に関する記者説明会を開いた。生成AIへの需要は高く、Box AIが使えるプランの販売が伸びており、今後も機能強化で顧客に訴求していく方針。
Box AIは、11月に機能提供を開始。企業がBox上にアップデートした情報を基に、社内文書を要約したり、ファイルの内容について質問すると回答を生成したりといった使い方ができる。膨大な資料を、論点を絞り込んで把握することで生産性向上を実現するという。Boxのクラウド上にのみ情報をアップするため、情報の安全性も担保。同社が提供する機能をすべて制限なく利用できる最上位プラン「Enterprise Plus」の契約者が利用可能で、生成AI機能の利用に追加料金は不要となっている。
米Box ランド・ワッカー バイスプレジデント
米ボックスのランド・ワッカー製品戦略担当バイスプレジデントはBox AIについて、米Open AI(オープン・エーアイ)など3社の大規模言語モデル(LLM)を、用途によって最適なものを使い分けて機能提供していると説明。「今後、多様なLLMとの連携も視野に入れている」と展望した。情報の安全性については「LLMの中で顧客のデータがトレーニングされないように保護している」と話し、2024年にはBox AIの機能をさらに強化していくとの方針を示した。また、日本語からほかの言語、その逆の翻訳も高い精度だとアピールし「日本市場向けにさらに能力を高めていきたい」と述べた。
国内の販売状況については、Enterprise Plusの契約が大型案件の6割強を占め、大きく伸びている。Box AIを使いたいとの理由でプランのアップグレードも多いという。佐藤範之・専務執行役員は「生成AIの利用が追加料金なしでできるという点がとても好評で、生成AIを試してみたいという需要にフィットしている」と述べ、拡販に期待を寄せた。
(堀 茜)