ピュア・ストレージ・ジャパンは2022年12月9日、同社のビジネスの最新動向と23年のIT業界展望を報道関係者向けに説明した。11月6日に終了した22年第3四半期の業績はグローバルと国内のそれぞれで好調だとし、23年はESG(Environment、Social、Governanceの三つの観点に配慮した企業活動)やデータ保護などの観点に注力するという。
第3四半期のグローバルの売上高は前年同期比20%増の6億7600万米ドルだった。特にサブスクリプションサービスの伸長が顕著で、売上高は30%増の2億4480万米ドルとなった。日本では、ピュア・ストレージが属する外付型OEMストレージシステムの市場全体が第3四半期に前年同期比で22.7%縮小したのに対して、同社は9.6%成長したという。
田中良幸 社長
各国の政府が炭素排出を制限する政策や税制を打ち出していることで、企業は新しい基準に準拠する必要が出てきた。そのため、投資家やパートナー、消費者は、企業がESGをどの程度実践しているかを、これまで以上に考慮するようになったという。そこでピュア・ストレージは、電力使用量やスペース、コストを抑えられるフラッシュストレージ製品や、無駄な部品交換を抑えられる永年保守サービス「Evergreenプログラム」を提供し、企業によるESGの実践を支援する。
また、データセキュリティの観点では、攻撃者の目的が、身代金を目当てにデータをロックすることから、データを盗み出すことに変化していると指摘した。同社は、バックアップデータを管理者権限が及ばない場所に保管する「SafeMode(金庫モード)」を製品に標準実装するなど、データ保護に力を入れている。
田中良幸社長は「ビジネスは非常に好調。来年度に向けて米国本社からかなりの投資を受けている。来年はさらにステップアップしたい」と意気込んだ。
(大向琴音)