エッジAIによるデータ収集プラットフォームを手掛けるIdeinと、自動車部品メーカーのアイシンは、エッジAI用カメラ「AI Cast」(アイキャスト)を共同開発した。AIアクセラレーターチップの採用により、一般的なエッジAI用カメラよりも高性能を実現した。4月の量産出荷を予定し、まずは小売りや製造領域で展開を図る。将来的には防犯や顔認証決済、自動運転など幅広い分野での普及を目指す。
エッジAI用カメラ「AI Cast」
AI Castはハードウェア面をアイシンが担い、Ideinはソフトウェア面で協力した。小型コンピューター「Raspberry Pi」に、イスラエルの半導体企業Hailo(ハイロ)のプロセッサー「Hailo-8」を搭載することで、大幅な強化を図った。
Idein 中村晃一 代表取締役
Ideinの中村晃一代表取締役CEOは、従来同社が提供するRaspberry Pi単体のカメラと比較して「控えめな表現で100倍以上の性能」と話す。これにより、高解像度の映像処理、高速で移動する物体の認識、複雑なAI処理の実行などが可能になるという。
Ideinのプラットフォーム「Actcast」(アクトキャスト)とは連携済みで、導入後すぐにAI機能を利用できる。Actcastは多数のエッジデバイスを遠隔運用でき、アプリケーションのインストールや入れ替え、更新、デバイスの死活保守などが一元的に行える。
販売目標に関しては非公表だが、現在、Ideinでは1万5000台以上のAIデバイスを運用しており、「それ以上は目指したい」(中村代表取締役)考えだ。基本的には両社が直接提供するが、パートナー経由の取り扱いも可能性があるとし「まずは問い合わせてほしい」と呼び掛けた。
(藤岡 堯)