サードウェーブは4月19日、高性能デスクトップワークステーション「THIRDWAVE Pro WORKSTATION X4620」など、法人向けの10製品を発売した。AIの利用が拡大する現状を背景に、AI開発などでの利用を想定し、法人向け販売を強化する。

　THIRDWAVE Pro WORKSTATION X4620は、CPUにインテルのXeon Silver 4310（12コア／24スレッド）×2基、GPUにNVIDIAのT1000 4GBを搭載。顧客の要望に応じて CPU、GPU、メモリ、ストレージのカスタマイズが可能で、拡張性とハイパフォーマンスを両立した。AIのディープラーニング、4K／8Kの映像編集などをストレスなく作業できる。カスタマイズ製品はスペックに応じて1～2カ月で出荷する。


　このほか、標準のデスクトップワークステーションの半分の幅と省スペースながら、GPUにNVIDIAのRTX A2000 12GBを搭載し、3D設計や映像編集などに適した「THIRDWAVE Pro Slim Ex SDX5200」、片手で持ち上げられるほど軽量で高さ15cmと小型なデスクトップPC「THIRDWAVE Pro HG9023」など、計10機種のデスクトップ製品をラインナップに追加。エントリーからハイエンドまで幅広い法人向け製品を提供する。

　新製品説明会で、井田晶也・取締役兼上席執行役員副社長は「AIを誰もが使えるようになり、AIの開発・検証ができるデバイスがさらに必要になってくる。新製品ですべての企業を支援していきたい」と話した。最上位モデルの販売先としては、大学などの学術分野、3D CADを利用する建築業界などを想定しているという。

　同社はゲーミングPCなどコンシューマー向け製品が主力だが、今後はPC市場の約7割とされる法人領域の拡大を目指していくことを説明。井田副社長は「今後販売パートナー網を整え、売り上げを伸ばしていきたい」と述べた。

　また、同社は米NVIDIA（エヌビディア）とパートナー契約を締結したと発表。これまでもエヌビディアのGPUを採用していたが契約締結で協業を深め、クラウドAIとの併用で今後さらに広がると予想されるエッジAIの活用を意識し、製品展開を図るとした。
（堀 茜）