サードウェーブは4月1日、法人向けサービスブランド「ドスパラプラス」をスタートさせた。中小企業の“一人IT部門”に寄り添い、IT機器やソフトウェアの選定/調達、運用保守までの一貫したサービス提供を通じて、広く中小企業のニーズを拾い上げていくという。高橋良介・上席執行役員に「ドスパラプラス」を立ち上げた狙い、サービスの特徴、ビジョンや戦略について聞いた。

中小企業のニーズに幅広く対応
身近な相談相手になる

――サードウェーブは、以前から法人向けビジネスを展開されてきましたが、改めて新サービスブランド「ドスパラプラス」としてスタートした狙いを教えてください。

 サードウェーブでは、法人向けビジネスを約20年前から手掛けてきました。ただ、本格的な展開を開始したのは3年程前です。2019年に法人向け製品「Thirdwave Pro」ブランドを立ち上げ、さらに、法人営業統括本部を立ち上げて体制の強化を図りました。
 
高橋良介 上席執行役員

 ただ、これまでの法人向けビジネスは、PC販売が中心で、販売後にお客様がどのような使い方をしているのかまでは把握しきれていませんでした。しかし、実際のビジネスはPCだけで完結できるものではなく、ソフトウェアなど周辺の製品を含めてさまざまな活用をされています。当社としても、せっかくPCでお付き合いをさせていただいている以上、もっとお役に立てる存在になれるのではないか、という思いから新ブランドとしてドスパラプラスを立ち上げました。

――ドスパラプラスという名称の由来は。

 ドスパラプラスという名称は、ゲーマー、研究者、CGクリエーターなどハイエンドユーザーの方々を中心に高い知名度を持つ、当社運営のコンピュータ―ショップ「ドスパラ」という名称をいかしながら、PCに何かを「プラス」するサービスという点がしっくりくると考えて採用しました。また、ブランドロゴに上向きの矢印があるのも、「従来の枠を超えて、新たな展開をする」という思いを込めています。

広く中小企業がターゲット
気軽に相談できるITパートナー

――実際、中小企業のIT部門の方々はどのような悩み、課題を抱えていると捉えていますか。

 IT部門は、IT機器の選定/調達から導入、運用から保守、さらに廃棄やリサイクルまでのLCM(ライフサイクル管理)を一手に引き受けています。最近は、DXの推進でも中心的な役割が求められるなど、その業務の重要度は高まっています。法人向けビジネスを本格化してから、当社でも独自にユーザー調査を進めてきましたが、特に、中小企業の多くは、“一人IT部門”のケースが少なくなく、担当者は大変な思いをされています。
 

 中でも大きな悩みの一つが調達です。PCだけを取り上げても、求められる性能は業務によって異なります。しかも、実際の業務では必要となるアプリケーションや周辺機器もまちまちです。それを、いわゆる一人IT部門の方々が、それぞれに最適な構成を検討し、製品を選定して調達するとなれば、非常に多くの手間と時間が掛かってしまう。その点、私たちは、要望に応じた構成の製品を製造販売するBTOビジネスを長年手掛けており、多くのノウハウがある。求められるパフォーマンスをしっかりと発揮できる構成を選定し、使い勝手にも優れたシステムを提供できると自負しています。

――その意味では、従来からのハイエンドユーザーの方々だけでなく、広く中小企業をターゲットにされていくわけですか。

 はい。一般の中小企業の方々のニーズを拾い上げていきます。従業員数が20人から200人程度の企業を考えています。

 多くの中小企業ではITシステムに関する相談相手が身近にはいないことがほとんどです。だからこそ、ドスパラプラスでは、気軽に相談できるITパートナーとしてIT部門の方々を支え、「よりよい仕事、よりよい結果、よりよい評価」を得られる手伝いをしていきたいと考えています。ブランドステートメントに「孤独なIT部門に、仲間プラス、安心プラス、ドスパラプラス。」を掲げているのも、それを体現するものです。その結果として、ドスパラプラスを通してIT担当者が、一人IT部門でも成り立つ世界を実現するというユニークな体験を目指します。これは、他のブランドでは実現し得ないものです。

――お客様に徹底的に寄り添うということですが、具体的な取り組みを教えてください。

 お客様が相談しようと思う際に、できるだけハードルを下げたいと考えてコミュニケーションパスを多く用意しました。例えば、購入前に確認しておきたいことがあれば、問い合わせフォームや電話での相談をお受けしていますし、もちろんメールやFAXでの対応も可能です。問い合わせフォームでは上手く伝えらないことや、少し込み入った内容であれば、オンライン商談での打ち合わせにも対応します。さらに、夏をめどに、会員限定の相談窓口としてチャットにも対応する予定です。どのようなことでも、お気軽にご相談いただければと思います。
 

お客様との関係性を高め、
継続的なビジネスを目指す

――ドスパラプラスのサービスの特徴を教えてください。

 ドスパラプラスへの入会費・年会費は無料です。会員登録していただくと、送料やオンサイト保守サービスの優遇、会員限定の情報提供、セール情報などさまざまな特典を用意しています。

 特徴的なサービスとしては、Thirdwave Pro製品をはじめとする主要製品について、トライアル貸し出しを行っています。ソフトウェアの動作確認や使い心地などを製品購入前に検討できるほか、懸念事項について確認することができます。また、購入前の技術相談には、サードウェーブの技術員が直接、対応しているので技術的な問題についてもあらかじめ解決した上で安心して購入できるようにしています。
 

 もう一つはサポートです。さまざまな周辺機器、ソフトウェアを組み合わせたシステムでトラブルが発生したとしても、お客様側で問題の切り分けなどは不要です。お問い合わせ窓口を当社に一本化しているため、多くの手間をかけることなく迅速な対応が可能です。

――他社サービスとの差別化はありますか。

 まず、製品面では、完全オーダーメイドのPCを小ロットでも提供できることです。国内自社工場で製造しているため、幅広いカスタマイズの要望に対応でき、注文から最短2日で製品を出荷する超短納期を実現しています。また、当社のPC製品にはコアなファンが多く、学術機関の研究者、CGクリエーターなど高いパフォーマンスを求めるハイエンドユーザーの方々を中心に、強い支持を集めてきました。しかも、個人としての当社製品のお客様が、企業においてはITの担当者であることも多く、ロイヤリティの高さも大きな強みになっています。

 ドスパラプラスのサービスは、製品を販売して終わりではありません。お客様との継続的なビジネス展開を目指して、これからはさらにカスタマーリレーションシップの構築に力を入れていきます。

――ドスパラプラスの製品ラインアップとサービスについて教えてください。

 ハードウェア製品は、Thirdwave ProブランドのPCからWS、汎用・高性能サーバー、バッテリレスタブレットまで、多彩な製品をラインアップしています。ソフトウェア製品は、奉行クラウド、マイクロソフト365などのオフィス、業務系のソフトから、IT資産のライフサイクルを管理する「Tascal」、オフィスレイアウトができる「Offima」などをクラウドサービスとしてラインアップし、サブスクリプションで提供します。ソリューション型ソフトでは、BIツールの「Tableau」やビッグデータ分析を支援する「WinFast」、AIによる映像の定量分析を可能にする「BriefCam」などがあります。このほかAutodesk製品、Adobe製品など各分野のディファクト製品がラインアップに加わる予定です。

 サービスは、PCレンタル、設定設置サービス、PCの買い取り、フルカスタマイズCTO、Win7 to 10更新代行サービス、オンサイト保証サービスを提供します。特に、レンタルサービスを活用すれば、ハードとソフトを含めたシステム一式を、サブスクリプションと同様に定額料金で利用できるため、初期投資を抑制できて、予算計画なども立てやすくなるでしょう。

アライアンスを強化
現在の数倍の事業規模にする

――システム販売となるとSIサービスも提供されるのですか。

 SIサービスについては当社だけでは完結できないので、当然、ソフトベンダーの方々との協業が必要になると考えています。ソフトウェアのラインアップを拡充するとともに、アライアンスを積極的に進めていきます。サーバーの仮想化における設定、設置なども連携して取り組みたいと思います。

 また、サービス体制も強化していきます。お客様にしっかりと寄り添い、良き相談相手となれるよう、人員の拡充と営業担当者の教育に力を入れていきます。取り扱うソフトウェア製品に対する理解を高めて、お客様の業務利用における的確なアドバイスができるようにしていきます。

 同時に、全国のドスパラの実店舗を法人のお客様のご相談、迅速な製品のデリバリーなどに活用していきたいと考えています。

――最後に、ドスパラプラスのスタートに合わせた施策があれば教えてください。

 4月1日から4月30日までドスパラプラスに会員登録していただいたお客様には、特別なプレゼントを用意しています。ぜひ、登録をお願いします。