ミロク情報サービスは、ビジネスモデルの転換に注力している。オンプレミスを中心とした従来のビジネスからクラウド・サブスクリプション型への移行を進め、顧客メリットの最大化と収益の安定化を図るのが狙い。主力のERP製品については、2025年にSaaS型の新製品の提供を予定しており、ユーザーのDXの進展につなげたい考えだ。
是枝周樹 社長
同社がビジネスモデルの転換に力を入れる背景には、企業のデジタル化が進むことで、ソフトウェアは所有型から利用型が主流になるとみていることがある。ユーザーの間では、クラウドを活用した社内システムの刷新に関するニーズが既に目立ってきており、是枝周樹社長は「モノ売りからの脱却を推進していくことは、企業として成長していくための大きなトリガーになる」と力を込める。
同社はこれまで、オンプレとIaaSでERP製品を提供してきた。ただ、ユーザーからは、メンテナンスやバージョンアップなどの管理を同社に任せたいとの要望があり、それに応えるためにはSaaSも必要と判断。現在、中堅企業向けERPシステム「Galileopt DX」相当の機能を備えた中堅・中規模企業向けの製品と、中小企業向けの製品の開発を計画している。
販売面では、主なパートナーである会計事務所に加え、顧問先企業などとの継続的な関係が必要になることを想定し、コンサルティングサービスの強化に向けて人材育成に取り組む。23年度は、営業部門でITコーディネータの取得者数を100人以上に高めることを目指す。また、中小企業診断士やファイナンシャル・プランナーの取得も促し、より経営に伴走できる体制の構築を進める。
(齋藤秀平)