弥生は10月11日、事業戦略説明会を開き、新ブランド「弥生Next」を立ち上げたと発表した。前山貴弘社長は「バックオフィスの業務をゼロにする」と強調。給与に焦点を当てた二つの新しいクラウドサービスを第1弾として披露した。
 
　前山社長は、弥生Nextを通じて、企業のデータ活用の推進も目指すとし、起業初期から中堅規模までの企業を対象に、業務の効率化と業績の向上を支援すると説明。デスクトップソフトとクラウドサービスで提供する既存の「弥生シリーズ」を含めた製品ラインアップで、顧客やパートナーである会計事務所を「多面的に支えたい」と力を込めた。

　新サービスは、「弥生給与Next」と「やよいの給与明細Next」。弥生給与Nextは、毎月の給与計算や複雑な年末調整業務をクラウド上で処理できるのが特徴。やよいの給与明細Nextは、給与明細のWeb配信が可能になり、ペーパーレス化が実現できる。いずれも10月20日に提供を開始した。

　弥生Nextでは、給与のほかに、商取引と会計も対象領域とし、2024年以降に順次サービスを拡充していく予定。前山社長は「プラットフォームをどんどん拡張し、ユーザーや会計事務所の皆さんと一緒に次の新しい歴史として成長させていきたい」と意気込んだ。

　前山社長はこのほか、23年9月期通期の売上高が、前期比30億3000万円増の251億4000万円（速報値）と過去最高になったことなどを紹介し、順調な成長ぶりをアピール。デスクトップソフトの新製品「弥生24シリーズ」も示し、インボイス制度や今後の法令改正への対応を可能にするため、今回からクラウドの機能を盛り込んだとした。
（齋藤秀平）