日本コンピュータシステム販売店協会は12月6日、IT事業者向けの「経営戦略オープンセミナー」を都内で開催した。「IT事業者向け政策と技術の最新動向 DX推進の最前線」がテーマ。経済産業省幹部が最新のIT政策を紹介したほか、SB C&Sが業務でのAI活用事例を紹介し、ITビジネスに役立つ情報を提供した。
質疑応答セッションで会場からの質問に答える
(左から)経済産業省の和泉憲明・アーキテクチャ戦略企画室長と
SB C&Sの北澤英之・ICT事業推進本部本部長
基調講演では、経済産業省商務情報政策局の和泉憲明・アーキテクチャ戦略企画室長が登壇し、デジタルライフラインを全国に整備する政策を紹介した。
和泉室長は、企業や業界の垣根を越えてデータを共有・活用し、研究開発から実証、社会実装・普及まで行う取り組み「ウラノス・エコシステム」によって、地方の公民館などに高速通信インフラを導入し、オンライン診療などさまざまなサービスが受けられるようにするという構想を示し、「ハード、ソフト、ルールを三位一体で構造改革し、インフラを整備していく必要がある」と述べた。
ビジネスセッションでは、SB C&S ICT事業本部の北澤英之・ICT事業推進本部本部長が、自社での生成AIの活用事例を紹介した。同社は、顧客からの問い合わせに対し、「ChatGPT」で生産性向上を図っており、これまで4時間かかっていた返信を大幅に短縮できているという。
質疑応答セッションでは「どのようなポジションの人がどうDXを進めるべきか」という会場からの質問に対し、和泉室長は「DXを目的にするのではなく、同じリソースでどれくらい売り上げを上げるかを考えるべき。まず動き出してほしい」とアドバイス。北澤本部長は「私も悩みながら進めてきた。一緒に悩んでいい方法を導き出せればと思う」と述べた。
(堀 茜)