Gemini Proは、Webベースの個人向け開発ツール「Google AI Studio」と、Vertex AIで利用できる。Google AI Studioは無料で提供されており、APIを通じてGeminiを活用した開発が可能となる。Vertex AIは、生成AIを用いた検索や対話などのアプリケーションを開発できる「Search&Conversation」、生成AIアプリケーションを実現するのに必要な技術要素を提供する「AI Platform」、Gemini Proや「PaLM 2」「Imagen」などグーグル製のAI基盤モデルに加えて、パートナーやオープンソースのAI基盤モデルをワンストップで利用できる「Model Garden」などを提供するプラットフォーム。
ソリューション&テクノロジー部門の寳野雄太・統括技術本部長(Data&AI)は「AIモデルがあるだけでは、生成AIの活用はできない。企業の実際の活用においては(AIモデルに)さまざまな機能を付け加え、生成AIモデルを組み込んだアプリケーションとして開発していくことが重要になる」と述べ、基盤モデルのGeminiに加えて、開発ツールに相当するVertex AIを用意することで、企業のAI活用を加速していく考えを説明。Vertex AIではGoogle AI Studioに比べ、データ保護機能なども強化しているという。
生成AIがもっともらしいうその回答をしてしまう「ハルシネーション」への対策として、ユーザーが登録したデータに基づいて生成AIが回答するだけでなく、どのデータに基づいて回答されているかを提示する「Grounding in Vertex AI」を紹介した。そのほか、パラメーターサイズが大きい「教師モデル」から、パラメーターサイズが小さな「生徒モデル」を構築する「Distillation Step-by-Step」機能についても説明。つくられた生徒モデルは教師モデルの性能に基づきながらも、より軽量で効率的に動作するため、コスト効率の向上や推論の際の遅延を抑えるなどのメリットがあるとした。
同じく24年早期に、Google Workspace向けの生成AIサービス「Duet AI for Workspace」にGeminiが適用されることも発表。「Gmail」や「Google Meet」などGoogle Workspaceで提供されている各サービスが強化される。具体的には、手書きの図をリアルな画像に変換することなどができるという。