企業の新規事業開発やイノベーション創出の支援事業を手掛けるRelicは、自社開発したSaaS型イノベーションマネジメントプラットフォーム「Throttle」の販売拡大に向け、パートナープログラムを開始した。事業開発系のコンサルティング企業やディストリビューター、SIer、地方銀行など幅広くパートナーを募る方針で、ビジネスマッチングによるレベニューシェアのほか、OEM提供による自社商材との組み合わせ・強化といったメリットがある。同社はプログラムを通じて、日本企業の事業開発を促進するとともに、イノベーションマネジメント市場のさらなる拡大を図る狙いだ。
Relicは2015年設立。「事業共創カンパニー」を掲げ、Throttleをはじめとするインキュベーションテック事業、企業の新規事業開発をコンサル的に支援する事業プロデュース事業、投資や協業を通じてともに事業を創出するオープンイノベーション事業を展開している。
田中翔太良 室長
イノベーションマネジメントは、イノベーションの継続的な創出・成功に適した環境の整備につながる経営資源の管理・運用の取り組みを指す。Throttleは新規事業開発専用プラットフォームとして、事業の構想段階想から仮説検証、事業化までのサイクルに必要な要素を一つの基盤上で提供する。アイデアや計画の作成・具体化に役立つ情報を収めたデータベース、フレームワーク・ノウハウなどを搭載するほか、社内での情報集約や管理、評価などの作業の効率化を実現し、質の高い新事業をより多く生み出せるようにする。
パートナープログラムは、紹介パートナー型、販売パートナー型の二つのプランを用意。顧客をRelicにつなぐだけでなく、パートナーが自社ブランドでThrottleを販売することもでき、パートナーは自身のノウハウや強みと合わせたサービスの展開が可能となる。Relicはパートナーに対してThrottleの使い方の説明や導入サポートレクチャーを行う。
パートナープログラムの導入について、田中翔太良・CRO室室長は、19年の発表からの機能強化を経て、プロダクトの質が高まったことや新機能追加のリリース速度も向上していることから、販売拡大のフェーズに入ったと説明。自社が目指す「インキュベーションの民主化」の実現に向けて、パートナーを増やしたいとした。さらに、新規事業開発やオープンイノベーションの支援といった領域は市場規模が小さいとも指摘し「この市場を盛り上げ、産業とするために連合軍を組みたい」と述べ、同様の支援事業を担うプレイヤーを巻き込むことで、より市場を広げたいとの考えも示した。
パートナーの対象に関しては、新規事業開発やオープンイノベーションの支援などを手掛けるコンサル系企業、多くの顧客を有するディストリビューターやSIerを想定するほか、地方企業への訴求を見据えて地銀の参画にも期待する。新規事業開発などのノウハウがない企業でも、紹介部分のみを担うかたちで加わることが可能だ。
田中室長は「当社は共創をとても大事にしている。共感していただける企業とともに取り組んでいきたい」と呼びかけた。
(藤岡 堯)