両備システムズは1月25日、2026年までの3カ年の新中期経営計画を発表した。26年度(26年12月期)の売上高は、23年度実績の384億円から62億円積み増しした446億円を計画する。同社が主力とする公共系ビジネスにおいて、ガバメントクラウドへの移行を含む自治体システム標準化作業の需要に対応すると同時に、特需終了後に向けた民需を含む新たな事業基盤を構築することがポイントだ。
同社は30年度に売上高500億円を目指す長期目標を掲げている。新中計では、期間中に自治体システム標準化の作業がピークを迎えるため、24年中にノウハウの蓄積やプロジェクトの定型化を進める。26年度の同社業績のうち、117億円が自治体システム標準化関連の売り上げとなる見込み。
小野田吉孝 代表取締役 COO
一方、これ以降は自治体ビジネスの鈍化が確実視されるため、次の収益源となる事業の構築も並行して行う。特に強化を図るのがクラウド関連で、PaaSの「R-Cloud」を軸に、R-Cloudとガバメントクラウドを連携させる新たなサービスを予定。30年に目標とする売上高500億円のうち、半分の250億円をクラウド関連で稼ぐ計画で、クラウド人材の育成を急ぐ。
また、長期的には公共系よりも高い成長率を見込む民需分野では、個別開発のSIビジネスから、プラットフォーム化したプロダクトビジネスへのシフトを進める。複数の組織に分散していた民需ビジネスの機能を1部門に統合し、23年度に99億円だった売り上げを26年度に113億円、30年度に143億円へ伸ばすことを目指す。
小野田吉孝・代表取締役COOは「システム標準化は全国1700の自治体で一斉に始まり、本格化するのは25、26年の2カ年。移行を成功させるとともに、ガバメンクラウド関連のサービスを立ち上げていく」と述べ、向こう3年間は30年度に向けた成長の地盤固めの時期になると説明した。
(日高 彰)