エプソン販売は、省電力を強みとするインクジェット方式の複合機・プリンターの拡販に当たり、消費電力を計測する「出力環境アセスメント」や、環境経営の実践を支援する「サステナビリティ経営の推進支援サービス」に力を入れている。本年度(2024年3月期)の出力環境アセスメントの利用社数は数百件規模に増える見込みで、サステナビリティ経営の推進支援サービスは中堅企業を中心に40社余りに伴走支援を行っている。
鈴村文徳 社長
出力環境アセスメントの一例を挙げると、ある事業所で535台のレーザー方式の複合機・プリンターをインクジェット方式に置き換えることで消費電力を85%削減、年間の二酸化炭素(CO2)排出量を17トンから2.5トンに削減できることを明示し、インクジェット方式への置き換えを促している。「本年度は、アセスメント対象をより小規模な事業所へと広げたことで利用社数が増えた」と鈴村文徳社長は話す。
サステナビリティ経営の推進支援サービスは、出力環境アセスメントよりも視野を広げて、例えば経営層や従業員に向けた環境教育、環境ビジョンの策定、CO2排出量の可視化や削減計画の策定など環境経営を実現するための総合的な支援を行っている。大企業はすでに自力で環境経営を実践するケースが多いため「中堅規模の企業を主なターゲットに販売を伸ばしている」(鈴村社長)としている。
ほかにも親会社のセイコーエプソンが開発する産業用ロボットの販売に際しては、人手不足や投資余力が限られる中小企業でも投資対効果が期待できる提案に力を入れている。弁当を生産する中小の食品工場に向けて水平多関節(スカラ)ロボットによって弁当の盛り付けを自動化するといった取り組みが一例として挙げられる。セイコーエプソンがものづくりに専念する一方、エプソン販売は省エネや環境経営、中小企業の人手不足など企業の社会的な課題を解決するアプローチに一段と力を入れていく。
栗林治夫 次期社長
24年4月1日付でエプソン販売社長に就任予定の栗林治夫・取締役は「モノ売りからコト売りへの方針を継承していく」と話す。
(安藤章司)