シヤチハタは4月22日、中小企業向けDX支援の新サービス「Smartec Vision(スマーテックビジョン)」を発表した。データ活用を推進する目的で、営業管理システムの提供をスタート。比較的低価格で売り上げや案件を管理できるサービスで、中小の製造業などをターゲットに販売を目指す。
印章メーカーである同社は近年、中小企業のDX推進事業に注力しており、2020年から電子印鑑・決裁サービス「Shachihata Cloud(シヤチハタクラウド)」を提供している。顧客から社内文書の電子化に加えデータ活用もしたいという声が多く寄せられたこと、また、同社の営業部門が大手ITベンダーの顧客管理システムを使っていたが、多数搭載された機能を使いこなせず一部案件を別管理し、機会損失につながっていたことから、機能を絞った営業支援システムを開発し、自社での導入を経て販売を開始した。
石井 慶 部長
スマーテックビジョンの営業管理システムは、売り上げ、案件、活動日報などの管理をデジタル化。社員が入力しやすいフォームにノーコードでカスタマイズでき、ITスキルが低くても簡単に使える設計になっている。営業管理に「Excel」などを使っている企業は、営業データを可視化し全社で共有することで、効率化と営業力強化が可能になる。
料金は、約1カ月の導入支援を含む初期費用が44万円、利用料は1アカウントあたり月額660円。同社によると、大手の営業管理ツールは初期費用の平均が約150万円。資金に余裕のない中小企業が導入しやすいよう初期費用を抑え、月額料金も文房具のように気軽に使ってもらえる低価格に設定したという。
石井慶・デジタル認証事業部部長は「中小企業でもデータ活用をしたいというニーズは高い。価格的な問題で着手できていない企業をターゲットに拡販していきたい」と展望。今後、営業支援以外にも機能強化を予定しており、シヤチハタクラウドとの連携も進め、中小企業の業務効率化を支援する。
(堀 茜)