伊藤忠テクノソリューションズは、粗大ごみの収集や再資源化を支援する資源循環プラットフォーム「StateEco(ステートエコ)」の提供を6月27日から始めた。第1弾は、寝具のマットレスを対象とし、収集運搬と処理業者のマッチングサービス。大型なマットレスは、自治体にとって処理困難な粗大ごみとして取り扱われることが多いことから、家具業界の環境経営促進団体の家具インテリアリサイクル&リニュー協議会(R&R協議会)との実証実験を通じて、効率的な回収・処理を実現するためにプラットフォームを開発した。
久保田さえ子 本部長
StateEcoは、マットレスの排出場所や数量、処理業者の稼働状況を可視化し、収集運搬に当たるトラックの走行ルートを最適化するほか、手が空いている処理業者への搬入量を増やして稼働率を高める。R&R協議会との約1年にわたる実証実験では回収回数を60%、CO2排出量では35%をそれぞれ削減、鉄の抽出量を13%向上させている。「処理業者の得意不得意によって資源の抽出量が変わってくる」(久保田さえ子・データビジネス企画推進本部本部長)ことから、マットレスの処理に長けた業者を優先して搬入先に選ぶ仕組みにした。
河村 修 シニアスペシャリスト
販売対象は廃棄物収集業務を管理代行する事業者などで、まずは首都圏で年間3万枚のマットレスの再資源化に取り組む。今後は中部・関西圏への展開を視野に入れるとともに、「小売店で使う器具など比較的大型な粗大ごみにサービス対象を広げることを検討する」(河村修・物流・GXサービス企画推進課シニアスペシャリスト)。家電4品目やPC、建築廃棄物など個別のリサイクル法が制定されている分野は対象外とし、法整備が進んでおらず、再資源化率が低い分野を中心に横展開を図る。
(安藤章司)