【米ラスベガス発】米Oracle(オラクル)が展開するクラウドERP「Oracle NetSuite」のプライベートカンファレンス「SuiteWorld 2024」が米国時間の9月9日、米ラスベガスで始まり、AI機能のアップデートをはじめとしたソリューションの最新動向が示された。
エバン・ゴールドバーグ・Oracle NetSuiteエグゼクティブ・バイスプレジデント(EVP)兼創業者は基調講演で、過度に複雑化したテクノロジーは顧客の成長を阻害すると指摘。その上で「AIは皆さんを迅速かつ効率的に成長させる能力をさらに高めている」とし、複雑なシステムのユーザー体験(UX)をAIによってシンプル化し、顧客のビジネスを下支えするとの意欲を示した。
Oracle NetSuite
エバン・ゴールドバーグ・EVP
SuiteWorldの開幕に合わせて多数のAI機能が発表された。財務上の例外をAIで自動検出し、リスク軽減に貢献する「Financial Exception Management」、自然言語インターフェイスを介してAIがワークブックから情報を抽出し、レポートを作成する「SuiteAnalytics Assistant」といった業務に直接関係する機能以外に、AIが生成する応答の形式やトーンなどの詳細を設定できる「Prompt Studio」、生成AI機能をNetSuiteの拡張機能やカスタマイズに組み込める「SuiteScript」のように、AIの活用方法を広げる仕組みも多く含まれた。このほか、 NetSuiteと「Salesforce」間のデータを自動的に共有するコネクター、間接購買プロセスを合理化するツールなども公表された。いずれも日本での提供時期は具体化していないが「できるだけ早い段階で持っていきたい」(ゴールドバーグEVP)とした。
大勢の来場者で賑わう会場
基調講演後の会見でゴールドバーグEVPは「人間が対話によって進化したように、コンピューターとも対話できるようになれば、複雑なシステムは使いやすくなる。AIとの対話は必ずやベストなインターフェースになる」と話した。今回の製品強化はその考えに基づく進化だとし、「究極的な目標はAIを使うことではなく、ベストなUXを提供することだ」と、UXを重視する姿勢を改めて鮮明にした。
24年のSuiteWorldは「Get ready for All Systems Grow.」(すべてのシステムの成長に備えよう)をテーマに、12日まで開かれる、10日にはオラクルのカンファレンス「CloudWorld 2024」が同じラスベガスでスタートし、初日はラリー・エリソン会長兼CTOによるキーノートなどを予定する。(藤岡 堯)