米Concur Technologies(コンカーテクノロジーズ)日本法人は9月17日、経費精算・管理サービス「Concur Expense」において、AIによる不正検知機能「Verify」の提供を2025年春に始めると発表した。経費精算業務の大幅な工数削減が期待でき、サービス開始から3年間で200社の導入を目指す。
Verifyは、従業員が経費精算をConcur Expense上で申請すると、申請内容と領収書の内容の整合性、領収書画像の使い回しの有無などをAIが検証する。不正検知にはグローバルで年間30億件の経費精算を扱うコンカーテクノロジーズの学習データを活用し、時間を要する確認作業を削減するだけでなく、人の目では見抜けない不正も見つけることができるという。加えて、同社の担当者がAIでは判断できない項目を確認し、より精度の高いチェックを行う。
橋本祥生 社長
Verifyは米国で提供済みで、領収書のチェック工数の半減、ガバナンス強化などの効果があり、経理担当者の業務を大幅に効率化した実績があるという。国内での提供に際しては、領収書に事業者の登録番号の記載があるかといった経費申請の慣習に特化したチェック内容を追加する予定。有料オプションとして提供し、既存顧客の導入と新規顧客を合わせて、国内では3年間で200社への導入を目標に掲げる。
同社はVerifyのほかにも、AIによる機能強化を進めている。出張費精算の「Concur Travel」では、親会社である独SAP(エスエーピー)の生成AIアシスタントである「Joule」を介した出張手配機能を25年内にリリース予定で、出張にかかわる飛行機や宿泊先の検索や予約をAIとの対話で完了できるようになる。また、会社払い領域の「Concur Invoice」では、これまでパートナー連携で提供していた請求書のAI-OCR入力に標準対応し、24年内にリリース予定とした。橋本祥生社長は「経費精算業務は、あらゆるビジネスパーソンにおいて最も付加価値のない業務であり、経費精算のない世界をつくることが当社の使命だ」と強調。「当社はAIビッグデータカンパニーとして進化している。新しいサービスで日本市場の変革に寄与したい」と述べた。
(堀 茜)