AIソフト開発のエクサウィザーズは、業務に特化したAIアシスタントを充実させることで生成AIビジネスを伸ばしている。10月16日には営業業務に特化した「exaBase 生成AI for セールス」をスタート。2023年6月から有償サービスを始めた同社の生成AIビジネスでは、ユーザー企業ごとの個別SIビジネスに加え、自社独自のAIメニューの拡充を図ることで直近では約550社、5万ユーザーが利用するに至っている。
 
　春田真社長は「生成AIを従業員に“使わせる”のではなく、個別具体的な“使うシーン”を増やす」ことが、AIを活用して業務の生産性を高めるポイントだと指摘。生成AIは汎用性が高いがゆえに個別業務での実用性を発揮しにくい課題を解決する。また、使うシーンごとに個別SIでオーダーメイドする方式は時間もコストもかさむため、業務特化のAIアシスタントシリーズを増やし「レディーメイドで使うシーンを増やしていく」（春田社長）選択肢を充実させる。


　exaBase 生成AI for セールスでは、AIアシスタントの問いに応えていく方式で、顧客との商談を想定したロールプレイを実施。営業担当者の習熟度を高めるといった活用ができる。ユーザー企業が蓄積してきた知見や、ユーザーの商品概要など社内の前提知識をAIアシスタントが適切に拾い上げ、「ユーザー企業特有のコア業務に組み込むことで生産性や市場競争力を高められる」（グループ会社Exa Enterprise AIの駒谷徹・exaBase生成AI事業開発部部長）とみている。

　同社では個別SIで得たノウハウをベースにAIアシスタントなどの独自製品やサービスを増やしていくことで25年3月期の連結売上高で初の100億円超、営業利益も2億円の黒字転換を見込む。
（安藤章司）