インターナショナルシステムリサーチ(ISR)と電算システムは、共同して多要素認証の新サービス「MURO Authentication Shield(MAS)」の販売を11月14日から始めた。これに先立ち10月31日付で電算システムがISRに一部出資する資本業務提携を結び、両社が力を合わせて新サービスの拡販に取り組む体制を強化している。
ISR
メンデス・ラウル 社長
新サービスは、物理キーや生体情報などを使って多要素認証を行うISRのパスキー認証サービス「CloudGate MURO」と、スウェーデン発祥のYubico(ユビコ)が開発したUSB端子型の物理キー「YubiKey」を組み合わせたもので、「従来のパスワードのみの運用よりセキュリティー強度を大幅に高められる」(ISRのメンデス・ラウル社長)。MASにはセキュリティーキー事前登録や、今後提供予定のライセンス管理ツールによって管理者負荷を軽減するサービスも含まれている。
電算システム
渡邉裕介 常務
多要素認証を巡ってはスマートフォンの認証アプリケーションを使うケースが増えているが、「企業などの業務用途で使う場合はなじまないことがある」と、電算システムの渡邉裕介・常務取締役執行役員は指摘。社員全員に業務用のスマホを貸与するのでなければ、私用のスマホを認証に使うことになり、セキュリティーポリシーに合わないケースが想定されるからだ。MASであればYubiKeyを配布するだけで全社員がパスキー認証を行えるようになる。
電算システムは2009年からシングルサインオンなどの認証機能を提供するISRの「CloudGate」を主に「Google Workspace」ユーザー向けのセキュリティー強化ツールとして販売してきた実績がある。今回のISRと共同で提供するMASは「将来的に既存ユーザーの半分に利用してもらえるよう働きかける」(渡邉常務)との目標を掲げる。
(安藤章司)