日本オラクルは1月17日、「Oracle Database」に最適化したデータベース基盤「Exadata」の次世代版となる「X11M」を国内向けに発表した。前世代から価格を維持しながら分析(OLAP)、トランザクション処理(OLTP)の性能を大幅に向上したほか、AI関連の機能も拡充した。電力消費量の軽減によるランニングコストの削減も図った。オンプレミスや顧客の専用クラウドで利用でき、パブリッククラウドでは「Oracle Cloud Infrastructure」だけでなく、「Amazon Web Services」「Microsoft Azure」「Google Cloud」でも稼働する。
AIベクトル検索はデータベースサーバー上で前世代と比べて43%、ストレージサーバー上で55%の高速化につなげた。OLTPは同時トランザクション処理、高速シリアル・トランザクション処理のパフォーマンスがいずれも最大25%改善。OLAPに関しても、データベースサーバーでの分析クエリー処理が最大25%速くなったほか、ストレージサーバー上の分析I/Oは最大2.2倍の高速化を果たした。
電力消費量の削減については、パフォーマンス向上に基づくワークロードの効率化による改善効果が大きいことに加え、未使用コアのシャットダウン機能や消費電力量の上限設定など、ハード、ソフト双方に新たな電力制御の仕組みを取り入れた。また、複数のExadataを一つのコンソールで一元管理できるようになり、運用面での効率性も高めた。
首藤聡一郎 執行役員
17日に開いた説明会で首藤聡一郎・執行役員事業戦略統括は、X11Mの開発方針について「ハードウェアの限られたリソースをいかに効率よく利用し、お客様やパートナーが必要とする性能を発揮させるか」、そして、これを基として「コストパフォーマンスを向上できるか」の2点が目標にあったとし、今後もこの観点でイノベーションを継続していくと強調した。
(藤岡 堯)