シャープは2月18日、AIによる議事録作成支援ソリューション「eAssistant Minutes」を発表した。デスクトップPC型の本体内でAI処理を完結し、インターネット接続を必要としない点が特徴。価格は構成や導入形態によって異なるが、リース時の標準的な費用は1台あたり月額4万円程度となる見込み。3月中旬の発売を予定する。
複数の話者を認識し、要約を自動的に作成
会議や商談の会話をAIが聞き取り、リアルタイムでテキストデータに変換する。複数の話者を自動的に認識するほか、一定量のテキストが蓄積されるとその内容を要約する。会議が終了すると、会議のホストとなったユーザーのPCにサマリーと個々の発言が記録されたデータを出力し、製品本体からはデータが削除される仕組み。
古川勝康 部長
同社ワークプレイスイノベーション事業部ソリューション企画部の古川勝康・部長は、議事録作成ツールの普及が進まない理由として、「(機密情報を扱う際の)セキュリティーの不安、あるいはセキュリティー上の審査が必要なために時間や手間がかかる」ことを挙げた。また、クラウドサービスは従量課金が理由で積極的な利用につながらないケースもあるとした。
今回の同社製品は、クラウドを使わないエッジAI型のシステムとすることで、これらの課題を解決した。会議室内のネットワークを利用できる従業員であればユーザー登録などの作業は不要で、時間無制限で議事録を作成できる。付属のオーディオアダプターを使用すればWeb会議の音声も取り込める。複数の会議室から1台の製品への接続や、過去の録音データのテキスト化には現在のところ未対応。
導入やサポートでは、複合機や業務用液晶ディスプレイを扱うシャープマーケティングジャパンの販路を活用する。
(日高 彰)