ジェネシスクラウドサービスは5月15日、記者会見を開き、AIを活用したクラウド型コンタクトセンターソリューションの新機能を発表した。
今後リリース予定の「AI Studio」は、ノーコードでチャットボットを作成できる機能。例えば「ホテル予約をするフローを作成」と自然言語でプロンプトを入力すると、生成AIによって一連のシナリオが出力される。カスタマイズはテキストのほか、顧客とのやり取りを想定した音声認識で行うことも可能だ。運用負荷の軽減が期待できるという。
同社ではコンタクトセンターの機能レベルについて「エクスペリエンスオーケストレーション」として6段階で定義している。5段階目の共感的体験の創出から上位への到達をクラウド型のプラットフォーム「Genesys Cloud」の役割に位置付ける。会見ではコンタクトセンターの通話内容を要約したり、対応品質を評価したりするAIについてもデモンストレーションで公開。こうしたAI機能群と大規模言語モデル(LLM)を実装することで、顧客体験(CX)や従業員体験(EX)の向上につなげるとした。
トニー・ベイツ 会長兼CEO
米本社のトニー・ベイツ会長兼CEOは「コストを削減するだけでなく、より良い体験を生み出すことも重要」として、AIによる省力化と高度なCX・EXの両立に自信を見せた。日本市場については依然オンプレミスな環境が多いとしつつ、クラウドへの移行に期待した。
消費者とCXリーダーに対する調査結果から国内の特徴も解説。約7割の消費者が企業側に対してやり取りを予測した上で解決策を提案することを求める一方、毎回同じ担当者に対応してもらうことが重要とした人は約2割にとどまった。企業全体での一貫した対応や品質管理を重視していると分析している。
(春菜孝明)