顧客データ基盤(CDP)開発の米Treasure Data(トレジャーデータ)日本法人は6月5日、記者発表会を開き、提供を始めたAIエージェント搭載のマーケティングオートメーション(MA)製品「Engage Studio」の国内での事業戦略を説明した。Engage Studioは、CDPとのシームレスな統合で、顧客理解から施策実行・改善までを一気通貫で支援する「次世代型MA」と強調。今後はCDP市場に加えて、より規模が大きいMA領域に本格参入することで、顧客接点全体をカバーするソリューションの提供を進めると表明した。
同社によると、Engage StudioではAIエージェントにチャットで指示することで、セグメンテーションや配信メッセージ作成などのマーケティング施策ができ業務工数を減らせる。また、顧客の行動をリアルタイムで捉え、AIが最適なチャネルとタイミングでアプローチする方法を判断する。顧客レコードから直接メッセージを配信し、その結果もCDPにフィードバックされるため、データ連携も複雑にならず、キャンペーンの効果測定とROIの可視化が容易になるという。
米Treasure Data
太田一樹 CEO兼共同創業者
同社は、成長市場であるAIが最も影響を与える業務領域はマーケティングやセールスなどの顧客関連業務だとして、CDPとAIを土台にしたMAの提供に動いた。米Treasure Dataの太田一樹最高経営責任者(CEO)兼共同創業者は、顧客関連業務について「お客様はSaaSを減らすことを望んでおり、世界中でCDPとMAをワンストップで提供してほしいという要望を受けている。AIの技術革新もあり、従来の古いテクノロジーの製品をつくり直すのにいいタイミングだ」と説明。今回のMA製品展開でそれらの課題に応え、顧客体験の最適化とビジネス成長を支援するとしている。
(下澤 悠)