ELYZAは9月9日、生成AIアプリの企画・開発から現場利用、評価、改善までを一貫して支援するツール「ELYZA Works」を発表した。同日開催の記者会見で、曽根岡侑也・代表取締役は「すでにパートナーであるKDDIグループを含む大手企業と連携し、販売やオプションサービスの提供を推進する」と述べ、今後2~3年で10万人の利用を目指す方針を示した。
曽根岡侑也 代表取締役
ELYZA Worksは、ユーザーが自然言語で要望を入力するだけで、生成AIを活用した専用の業務アプリケーションを自動作成できるAIサービス。検索拡張生成(RAG)機能を備え、企業独自の情報も参照可能。会見のデモでは、出張関連の質問に自動回答するアプリを作成した。
作成したアプリは社内ツールとして共有でき、API連携により既存の社内システムにも組み込める。利用ログや権限管理機能でセキュリティーも確保。さらに、ユーザーの入/出力データや評価フィードバック、AIの支援を通じて、品質向上が見込める。
曽根岡代表取締役は「2040年には日本の労働人口が1100万人不足するとされ、AIへの期待が高まっているが、企業での活用は十分とは言えない」と指摘。その要因として、チャット型AIツールの利用が個人の裁量に依存することと、自社専用の業務AIアプリ開発が難しくコスト高になることの2点を挙げ、ELYZA Worksで解決を目指すとした。
「従来は限られた専門家が企業と連携して業務AIアプリを開発してきたが、ノウハウを持つAIが業務を代行することで、より多くの企業が独自で開発できるようになる」(曽根岡代表取締役)と期待感を示す。
今後は、同社の研究開発部門で開発したAIエージェントを順次実装する予定。MCP対応や各種データソースとの連携など、外部システムとの接続も進める方針だ。
(南雲亮平)