リコーPFUコンピューティングは、組み込みコンピューターの上位機種「AR8000シリーズ」と、低消費電力で小型筐体の「iCシリーズ」の新製品を発売した。前者は「AR8300モデル320P」で9月8日に、後者の「iC11000」は9月10日に販売を開始した。
iCシリーズの新製品「iC11000」
AR8000シリーズは、半導体製造装置や医療機器など安定稼働が求められる機器向けの組み込みコンピューターとして販売してきた実績がある。最新機種ではインテル第4世代Xeon Scalableプロセッサーを最大2基搭載し、高速リアルタイム演算や大容量データ処理を可能にした。西信之・組込商品企画部拡販企画グループグループリーダーは「2004年の発売から約20年にわたり筐体のサイズを変えずに性能向上を続けてきた」と語る。 iCシリーズの最新機種では、組み込み向けCPUのインテルAtom x7000REを採用して発熱量を抑制。冷却ファンをなくすことで、塵や埃が多い設置環境への耐性を高めるとともに、メモリーなどを直接基板に実装するオンボード化によって振動による接触不良が起こりにくい設計にしている。「工作機械や産業ロボットの監視などFA用途で販売実績を積んできた」(田中芳樹・組込商品企画部FAEグループグループリーダー)。こちらも05年の発売から筐体サイズを変えず、性能アップデートを続けてきた。
西信之グループリーダー(右)と田中芳樹グループリーダー
同社はPFUの組み込みコンピューター事業と合流し、25年4月1日付で旧リコーインダストリアルソリューションズから現社名に変更。組み込みコンピューターの国内金額シェアで約40%を占める。
(安藤章司)