大手SIerである米Cognizant Technology Solutions(コグニザントテクノロジーソリューションズ)の日本法人であるコグニザントジャパンは10月7日、記者説明会を開いた。顧客からBPO(ビジネスプロセス・アウトソーシング)で請け負う業務フローにマルチAIエージェントを実装することに注力。国内で共にAI実装を進めるパートナーを拡大する方針を示した。
同社はグローバルの売上高が約3兆円。日本法人は2008年設立で、これまでグローバルで獲得した案件のデリバリーを行ってきた。アジア太平洋(APJ)の売上比率は全体の7.2%で、市場規模の大きい国内でのビジネス拡大に向け、今後3年計画で日本への投資を本格化している。
現在注力しているのは、マルチAIエージェントの実装だ。幅広い企業からBPOを請け負っており、その業務をAIエージェントで効率化し、コスト削減を実現する。グローバルの顧客で業種、業界ごとに多数の事例があり、それを国内でも展開していく。
五十嵐 毅 常務
自社のマルチAIエージェントの独自性として、自然言語で複数のエージェントによるワークフローをつくれる点、業界ごとに適用できるエージェントを切り分けている点、データ整備にも対応できる点などを紹介した。常務執行役員の五十嵐毅・製造・流通・通信事業統括は「当社は顧客の業務の詳細を理解しており、そこにAIエージェントを適用することで、最短コースでAI活用の提案ができる」と強調した。
国内では主に保険などの金融、製薬、製造業にフォーカス。5月にはAIインテグレーションサービスを提供しているJTPと業務提携した。ジョイントソリューションをつくり、国内顧客のAI活用を推進する方針。五十嵐常務は「当社は日本での認知度が低いが、国内の顧客に一緒に届けられるパートナーを拡大していきたい」と述べた。
(堀 茜)