独Staffbase(スタッフベース)は11月27日、記者説明会を開き、従業員ごとに特化したコミュニケーションを実現する「Employee AI」を発表した。同社が提供するイントラネットや従業員向けのモバイルアプリで利用できる。非デスクワーカーへの情報共有や生産性の向上を後押し、従業員エンゲージメントの向上を支援するとした。
Employee AIは生成AIによって、各従業員の職種や働く場所などに合わせたコンテンツを受け取れるようにする。具体的には、それぞれの従業員に関連する業務連絡や社内ニュースなどを要約し、音声で再生する「AIポッドキャスト」を搭載。使用する言語は従業員に合わせてカスタマイズできる。
AIアシスタント機能も用意した。自然言語による会話を通して、社内ルールなどを確認できる。加えて、米Workday(ワークデイ)といった外部システムと連携して特定のタスクが完了するまで一貫して支援する機能も備える。
管理者向けにはAIの管理と監視を一元化する「AI Trust Hub」を提供。Employee AIの利用状況の可視化に加え、AIが回答を作成するために参照した情報を把握できる。
赤平百合 日本支社長
赤平百合・日本支社長は「必要な情報を必要な人に最適なチャネルで届けなければイントラネットはデジタルのゴミ箱になりかねない」と指摘した。その上で、モバイルアプリとEmployee AIによって、使う場所や状況を選ばずに従業員が情報を受け取れるようになるとした。
販売戦略では、複数の拠点を持つ製造業や、シフト勤務の従業員が多い医療や介護といった業界への拡販を目指す。新規パートナーの獲得にも注力する方針。人事部だけではなく、経営層を巻き込んだ提案をパートナーとともに推進する構えだ。
(大畑直悠)