内田洋行は12月5日、記者説明会を開き、子会社であるルクセンブルクOpen Assessment Technologies(オープンアセスメントテクノロジーズ)が提供するオンライン試験(CBT)基盤「TAO」の次世代版を発表した。教育機関の学習データ活用の起点となる基盤としての利用に加え、民間企業での活用も見込む。
次世代版となるTAOではさまざまな機能を単一のアプリケーションにまとめていた既存製品から、マイクロサービスによるSaaS製品として再構築した。顧客は「TAO Portal(ポータルサイト兼テスト管理)」「TAO Advance(テスト受検)」「TAO Studio(問題作成環境)」「TAO Grader(採点)」「TAO Insights(結果分析)」といったモジュールを組み合わせて利用できる。
大久保 昇 社長
問題文の読み上げ機能やドラッグアンドドロップによる回答など、CBTならではの多彩な出題や回答方法が可能な点も特徴。大久保昇社長は「次世代版TAOで誰もが同じような環境で試験を受けられる環境を日本でしっかり普及させたい」と意気込んだ。
従来版のTAOは現在、国内では文部科学省のCBTシステム「MEXCBT」に採用されており、同省による全国学力・学習状況調査の一部でも使われている。ほかにも大学入試や、医師国家試験のCBT化の研究にも活用されている。次世代版ではSaaS製品として運用の手間がかからない点や、必要な機能だけを利用できる柔軟性を訴求し、さらなる拡販を狙う。また、将来的には民間企業での研修といった用途での導入も見込む。
児童・生徒の学習データを取得し、分析するための基盤としての役割にも期待する。試験の結果を、教育分野の標準規格によって学習管理システムなどに連携させたり、教育アセスメントソリューションと組み合わせたりして、指導の改善にも寄与する存在となることを目指す構えだ。
(大畑直悠)