内田洋行は9月2日、2025年7月期の連結決算を発表し、売上高は前期比21.3%増の3370億5500万円、営業利益は30.3%増の121億7400万円で前期に続いて増収増益だった。GIGAスクール構想第1期の特需を受けた21年7月期の実績を超え、売上高、営業利益ともに過去最高を達成した。自治体システム標準化関連のビジネスや学校のネットワーク関連の案件の獲得など、公共関連事業がけん引した。
大久保 昇 社長
公共向けの売上高は14.6%増の927億8100万円、営業利益は73.4%増の52億4000万円と大きく伸長した。自治体システム標準化では住民基本台帳や教育委員会関連のシステムなどに順調に対応した。大久保昇社長は「国のガイドラインの策定に合わせて準備を重ね、手戻りがなく、しっかりと収益を稼げた」と手応えを語った。教育ICT関連の事業ではGIGA端末のリプレースに先行して取り組む顧客を獲得。また、ネットワークの強化や、学習系と校務系で分離しているネットワークの統合案件の獲得などが貢献した。
民間企業向けでは「Windows 10」のサポート終了に伴う端末の買い替えやキッティングなどのサービスが伸びたことに加え、ソフトウェアライセンス契約が好調に推移した。オフィスリニューアルの案件も増加。同社が従来から進めてきた事業部間の連携強化といった組織改革も奏功し、オフィスとネットワークの構築を組み合わせた提案が好調を後押しした。
26年7月期はGIGA端末の更新がピークを迎えることから、売上高が4180億円、営業利益が154億円を見込む。大久保社長は「GIGA第1期の経験を踏まえた省力化やパートナーとの関係性を生かして特需に対応する」と自信を見せた。文教向けのネットワークの案件も引き続き拡大を見込んでおり、ネットワーク統合に合わせたデータ活用などの付加価値で案件の大型化を狙う。
(大畑直悠)