富士通は12月15日、サステナビリティー経営についての説明会を開いた。企業価値を高める人材戦略として、同社はジョブ型人材マネジメントを採用して社内のポスティング制度を拡大。取締役執行役員専務の平松浩樹・CHROは、データに基づき制度の効果を測定した結果について「組織の活性化や社員のエンゲージメント向上につながり、業績向上にポジティブな影響を与えていることが示された」と評価した。
平松浩樹 専務
ジョブ型人材マネジメントでは、戦略に基づき組織設計を行い、現状とのギャップを埋めるために人事施策を行う。具体的には、社員の職務を文書で定めたジョブディスクリプションを整備し、自主的に希望のポジションに応募できる制度を取り入れるなどしている。新卒一括だった採用は通年のフレキシブル採用に移行。リスキリングやアップスキリングの支援なども継続している。ダイバーシティーとインクルージョンについては、女性幹部社員比率が2024会計年度で11.5%と着実に向上していることを取り上げた。
人的資本経営を重視し、人材ポートフォリオ改革への投資を進めたと強調。人材の最適な配置が営業利益率向上を支えていると説明した。モダナイゼーションは、専門人材を26会計年度までに500人体制へ拡大。生成AIを使ったコード変換やテスト自動化で工数を20~50%削減して、リソースをより付加価値の高い業務へ転換するとした。
サステナビリティー経営については、重要課題としてのマテリアリティーを二段構えにしたフレームワークを解説。テクノロジーや経営基盤、人材を、持続的な発展を可能にする土台に据える。その基盤をもって、地球環境問題の解決やデジタル社会の発展、人々のウェルビーイングといった貢献分野へビジネスを展開していくとしている。
(下澤 悠)