キヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ)は1月28日、2030年度までの5カ年長期経営構想(長経)の業績目標として、連結売上高8500億円、うち5000億円をITソリューション事業で売り上げると発表した。営業利益の目標は750億円とし、25年12月期の実績に対して売上高で25.0%増、営業利益で28.9%増を目指す。期間中の成長投資として2000億円の予算を組み、新規M&Aや自社独自のソフト・サービス商材の開発、人材育成などに投じる。
25年12月期までの前5カ年長経では、ITソリューション事業の売上高目標を3000億円に設定していたのに対し、実績は3434億円と大幅に過達した。ITソリューション事業が牽引役となり、期間中の全社業績も5期連続で増収増益と好調に推移した。30年度の全社営業利益率については、成長投資を継続させることから8.8%(25年度は8.6%)と保守的に見ている。
今長経ではITソリューション事業を▽SI・ソリューション▽サービス・アウトソーシング▽ITプロダクト・システム構築―の3セグメントに分け、このうちサービス・アウトソーシングの構成比を前長経実績の30%から40%、実数で1013億円から倍増近い2000億円に増やす(図参照)。SaaSやITアウトソーシング(ITO)などのサービス・アウトソーシング型ビジネスは、「継続的な収益が見込め、利益率も高い」(足立正親社長)ことから、重点的に伸ばしていく。
足立正親 社長
前長経では、成長投資として1726億円の予算を組み、中堅SIerの旧東京日産コンピュータシステムや、従業員数2300人規模のアウトソーシング会社プリマジェストなど3社をM&A、資本業務提携が17社、スタートアップ企業、非IT系企業への投資が14社となった。今長経では2000億円の成長投資予算を組み「M&Aによって非連続的な成長」(同)を目指すとともに、サービス・アウトソーシング型の自社商材の開発などへの投資を継続する。
ITソリューション事業の注力領域として、大企業向けのSIビジネスの売上高を3年後の28年度までに550億円(25年度実績は403億円)、BPO/ITOなどのビジネスプロセスサービスを570億円(同468億円)、中小企業向けサービスビジネスを210億円(同164億円)、セキュリティビジネスを590億円(同465億円)に拡大させる目標を掲げる。また、「主要な自社商材にAIを積極的に組み込んでいく」(同)ことで付加価値を高める。
データセンター(DC)の第3号棟の新設については、建設費の高騰や高圧電力の確保の難しさから「今、投資するのはリスクが高い」(同)との認識を示し、大手クラウド事業者などが新設する大型DCを間借りすることで需要に応えていくことを検討する。
(安藤章司)