キヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ)は、高解像度のネットワークカメラやウェアラブルカメラ、各種センサーを使って農作業の効率化を目指す実証実験を、2026年3月末まで愛媛県で実施する。愛媛県のデジタル実装加速化プロジェクト「トライアングルエヒメ2.0」の一環として行うもので、農地の遠隔監視による作業効率化や歩留まり率、品質向上といった指標の改善を確認した上で、26年中をめどに商用サービスとして体系化し、全国展開を目指す。
実証実験には花卉生産を営む相原バラ園と、ミニトマトや里芋などを栽培する日高農園が参加。遠隔地にある農地やビニールハウスの状況を高解像度のネットワークカメラで監視する。「農地まで車で30分かかるケースもある」(情報通信システム本部デジタル戦略部の道光祥子氏)といい、点在する農地を遠隔で監視し、足を運ぶ回数をどれだけ減らせるのかを検証する。
左から吉原千絢氏、道光祥子氏、柳井瑞貴氏
また、農地に出向く従業員にネットワークカメラを装着してもらい、「遠隔地にいる経営者が映像や従業員との会話を通じて生育状況をオンラインで確認する」(同部の柳井瑞貴氏)取り組みも行う。そのほか、各種センサーで得たデータやカメラ映像をキヤノンITソリューションズが開発した画像AI連携プラットフォーム「Bind Vision」に保存。「蓄積した映像やデータを分析し、歩留まり率の改善や品質向上に役立てる」(同部の吉原千絢氏)。
また、同プロジェクト参加メンバーの伊予銀行にはBind Visionに蓄積したデータを融資判断に応用できるかを検討してもらい、愛媛大学には科学的根拠に基づく支援を担ってもらう。商用化に向けて全国の農協や金融機関、キヤノンMJの販売パートナーを経由した販路の開拓にも取り組む。
(安藤章司)