東芝は1月28日、大陸間で安全に極秘情報を共有できるようにする技術「衛星QKD(量子鍵配送)」の送受信システムの開発と実証に成功したと発表した。衛星QKDは、衛星から量子鍵を配送することで遠く離れた地域での安全な量子暗号通信を可能にするもの。同社は、実用化に向けて着実な一歩を踏み出したと評価している。
同社はこれまでに近・中距離の光ファイバーを用いた量子暗号通信サービスを提供してきたが、数百kmを超える超長距離通信は光ファイバーでは技術的に困難だった。実現に向け衛星を選択した。モジュールを衛星に搭載するには、小型化・軽量化が必要になる。同社は世界トップクラスのコンパクトで軽量な設計を実現し、かつ低消費電力で高速な送信機を開発したという。
開発した衛星QKDの送信機
(株式会社 東芝提供)
その上で、英ヘリオット・ワット大学の地上局と連携し、地上QKDネットワークとの接続を実証した。今回は地上での実証となったが、今後は2026会計年度に高度約100mでドローンを利用した自由空間QKDの実証を、27会計年度に高度約500kmの低軌道衛星と地上との通信実証を予定する。
サービスの実用化の時期についてはまだ明らかにできないとした。ただ、QKDの市場規模については、衛星QKDの市場規模予測に幅はあるものの非常に高い成長率が予測されており、世界で開発競争が進んでいる。