米IBM(アイビーエム)から独立して5年目を迎えた米Kyndry(キンドリル)の日本法人であるキンドリルジャパンは、5月26日に記者説明会を開催し、2026年度の事業戦略を発表した。4月1日付で社長に就任した入澤由典氏は、「最初の2年は独立企業としての基礎dづくり、次の2年は顧客との信頼関係を基盤にした安定した運営体制の構築に取り組んだ。これからの1年はキンドリルの価値を本格的に創出していく必要がある」と意気込みを語った。
入澤由典社長
26年度は、インフラストラクチャーの構築・運用・保守などで顧客の事業継続を支えるだけでなく、コンサルティング事業を強化し、顧客の課題解決や価値創出を支援する方針を示した。2年前に英国・リバプールに設立したコンサルタント主導のアドバイザリーと共創サービスを提供する「AI Innovation Lab」を、日本にも新設する計画も明らかにした。
今後の成長の原動力としては、▽モダナイゼーション▽AI▽サイバーセキュリティ&レジリエンシー─の三つを掲げた。取り組みは三つのステップで進める。まず既存環境の安定稼働と自動化により、同社と顧客の双方に変革のためのリソースを生み出す。次に、AIを活用し、業務を継続しつつインフラやアプリケーションのモダナイズを進めて成長を促す。最終的にはAIネイティブな環境を運用し、AIを競争優位性や持続的な投資効果を生み出す原動力に変える。
この3ステップを繰り返すことで、企業や社会の価値創造を目指す。主軸であるインフラ領域からスタートし、知見をため、将来的には他分野へ展開する考えだ。入澤社長は「ITインフラの構築や運用、モダナイゼーションの過程で見つかった顧客の課題をコンサルティングチームと共有し、連携して解決したい」と展望した。
同日には、エージェンティックAIを活用した「ITサービス高度化ソリューション」を発表した。ユーザーからの自然言語指示に応じ、必要な作業を判断し複数のAIエージェントが連携して業務を自律的に実行する。当面はインフラの設計・構築・運用・保守などを中心に展開する。
セキュリティーとレジリエンスでは、資産の可視化とモダナイゼーションによる安全性の確保に加え、NOC(Network Operation Center)とSOC(Security Operation Center)の機能を兼ね備えた設備「Cyber Defense Operation Center」をインドに設立し、継続的な監視も提供する。
多様なニーズに応えるためパートナー連携を強化する。5月12日には、AIやクラウドを活用してレガシーシステムのモダナイゼーションを手掛けるLiNKXとパートナーシップを締結。両社の技術や専門性、人材、資産を組み合わせて、企業のレジリエンス強化とDX推進を支援する。(南雲亮平)