米New Relic(ニューレリック)日本法人は5月21日、記者説明会を開き、独SAP(エスエーピー)製品の移行を同社のオブザーバビリティー(可観測性)製品で支援するビジネスを強化する方針を示した。4月1日付で就任した古舘正清社長が登壇し、デジタルサービスを活用した経営の指標やユーザー体験を監視する「ビジネスオブザーバビリティー」を推進する方針を示した。
古舘正清 社長
同社のオブザーバビリティー製品はSAPの認定ソリューションであり、今後の拡販施策として「S/4HANA」に移行する顧客向けの支援を展開する。具体的には、移行前の環境にオブザーバビリティー製品を導入し、ERPと連携する製品も含めてシステムの状況を可視化してスムーズに移行できるようにする。また、移行後もS/4HANAの環境で利用し、安定的な稼働を支援する。
SAP専任のコンサルティング・技術部隊も新設し、顧客を一貫して支援する体制を整えた。パートナーとの連携も開始しており、SAP製品とセットで導入するモデルの確立に取り組む。
このほかの戦略として、オブザーバビリティー製品の既存用途であるシステムの監視などだけではなく、成約率やキャンセル率といったビジネスの指標も一体となって分析するビジネスオブザーバビリティーとしての拡販も目指す。ビジネスサイドとエンジニアが連携する文化の醸成が重要になると見ており、組織連携などを指標としたアセスメントサービスの提供を開始した。今後はパートナーとも連携して顧客の成熟度向上を後押しする。
すでに運用監視の領域以外でも利用する事例はあり、オリックスでは自社のSaaS製品である文書管理サービス「PATPOST」の利用状況の可視化で導入した。セールス、マーケティング、カスタマーサクセス、エンジニアリングが共通のダッシュボードを利用できるようにした点が特徴で、ビジネスサイドではユーザーの利用動向から売り先の選定や訴求方法を最適化した。
販売ターゲットに関して古舘社長は「まずは、すでに当社製品を活用する土壌がある既存顧客にビジネスオブザーバビリティーを確立してもらいたい」と話し、アップセルを推進する構えだ。
(大畑直悠)