フォーティネットジャパンは5月28日、事業戦略説明会を開き、単一のセキュリティー基盤を強みに、AIやOT環境を取り巻くリスクへの対応に注力する方針を示した。与沢和紀社長は、幅広い企業へのデリバリーを通じて、サプライチェーン全体に貢献する考えを強調した。
与沢和紀 社長
統合基盤の「FortiOS」では次世代ファイアウォールの「FortiGate」を中核に、LAN/WAN、ネットワーク機能の「SD-WAN」、セキュリティー機能をクラウド経由で提供する「Unified SASE」までをシームレスに管理する。企業ネットワークはインターネット経由の通信やクラウド利用が増加し、リソースが分散する中、与沢社長は単一基盤で提供する安定性を強調。ハードウェアでは独自のASICを用いることで省電力化していると訴えた。
3月にリリースした「FortiOS 8.0」は、AIの防御とAIを活用した機能の両面をそろえる。データの入出力にリスクがある大規模言語モデル(LLM)とMCP(Model Context Protocol)の利用シーンでは、悪意のあるプロンプトからサニタイズする「FortiAIGate」や、API呼び出しに対してポリシーを適用する「FortiWeb」によってランタイムセキュリティーを実現する。各種防御機能には「FortiAI Assist」を組み込んでおり、データの統合やタスク実行をAIで自動化する。
OT向けには、FortiGateによる境界分離でリスクを最小化した上で、デバイスの接続を可視化する「FortiNAC」、おとり技術を活用した「FortiDeceptor」などの導入について、事例を起点とした展開に注力している。
製品展開は中堅・中小企業での高いマーケットシェアを生かしてサプライチェーン全体への提供を戦略的に進める。大企業の中核顧客に対する営業やエンジニアを3年で倍増させるほか、パートナー向けのトレーニングプログラムにも注力する。プログラムは、ソリューション別に到達レベルを設け、スキルを確認できる仕組みを整えている。
スイッチ製品を提供してきたアラクサラネットワークス(アラクサラ)の買収を1月に完了。与沢社長は旧アラクサラ製品について国内での研究開発の継続を明言し、海外展開にも意欲を示した。
(春菜孝明)