デジタル庁は、本年度上期中をめどに中央省庁約18万人が生成AIを使えるよう、ガバメントAI「源内」の整備を急ぐ。5月25日時点で9万2000人余りの利用環境をすでに整備しており、6月以降、文部科学省や厚生労働省など8万8000人弱の職員が源内を順次使えるようにする。
源内で主に使われているLLM(大規模言語モデル)は、米Anthropic(アンソロピック)のClaudeシリーズで、翻訳や要約、文字起こしなどの汎用的な業務で使うとともに、行政実務に特化したAIアプリの開発にも取り組んでいる。実務AIアプリでは、例えば国会答弁の作成や許認可審査、資料分析、パブリックコメントの意見分類などを想定しており、すでに一部提供しているアプリもある。
国土交通省では4万件近いパブリックコメントの意見分類に源内を活用。警察庁では闇バイトの募集と思われるSNS投稿を分析し、警告や注意喚起を実施している。農林水産省では米の生産意向を調べるアンケート調査の回答約8000件の分析に役立てた。
山口真吾 参事官
今年3月には国内7社が開発する国産LLMを源内向けに選定しており、8月から試用し、行政実務への適合性が認められれば、「政府調達によって国内AI産業の育成につなげていきたい」(デジタル庁の山口真吾・戦略・組織グループ参事官)としている。
本年度は、デジタル庁の予算で生成AI利用環境である源内を整備してきたが、来年度からは各省庁の予算で源内のLLM利用料金を負担してもらう予定。山口参事官は「投資対効果をどのように示していくのかが課題」とし、各省庁がLLMのトークン利用料金の予算を組みやすいよう投資対効果の可視化を支援していく。
(安藤章司)