ワークスアプリケーションズは6月4日の事業戦略説明会で、データとAIの活用を軸とした企業の組織・業務変革を一体で支援するため、事業モデルの再設計を本格化する方針を示した。AIを中核とした業務基盤「HUE」と、4月に立ち上げた実行支援型サービスブランド「OXYG」を主軸に据えて進める計画だ。
(南雲亮平)
主力ERPのHUEは、従来の業務処理システムからAIドリブンの業務プラットフォームへ刷新する。これまでERPの課題だった大量の入力作業や高い維持コストをAIとの融合で解消し、企業の従業員がより本質的な業務に専念できる「ゼロオペレーション」体制の構築を目指す。製品の新コンセプトは「信頼できるチームメンバー」と定め、判断根拠を明示しガバナンスを担保する「AI承認者」や「入金消込エージェント」などの機能を順次実装し、大企業の業務変革を支援する。
新事業OXYGは、ユーザー企業と伴走しながら構想・設計・実行を一貫して支援するサービス。HUEの導入有無にかかわらず利用でき、AIを活用したリサーチや、人間に代わって業務を担う「デジタルワークフォース」なども提供する。従来のコンサルティングに近いサービスだが、メニューをパッケージ化することで導入リードタイムの短縮と高精度な成果を実現する点が特徴となる。
サービスメニューは全9種。AI活用を前提に業務を再設計する「AI-Native BPR」、業務知識を組み込んだAIエージェントである“デジタル社員”を現場に配置する「DWaaS」、投資効率などをもとに事業や施策を評価し資本コストを意識した経営判断を支援する「資本コスト経営推進」などを提供する。
秦修 CEO
秦修CEOは、日本企業の多くが「変革の息切れ」に直面していると指摘した。同社が経営層・経営企画・DX/IT部門などに所属する573人に実施した「企業における人材不足とテクノロジー活用」に関する調査によると、業務変革に向けた施策の実施状況について約6割が「取り組みの停滞」を感じていると回答。5割超の企業が将来の労働供給力不足に危機感を持っていることが明らかになった。自社リソースだけで変革を完結できると考える企業は6.6%にとどまった。秦CEOは、労働供給力の低下やDX推進の形骸化といった状況を「酸欠状態」と表現。打破するには、単なるツール提供にとどまらず、外部パートナーによる伴走型支援が重要だと強調した。
また、AI技術が日々進化する現代では「さまざまな専門知識や専門ソリューションを持つ企業と連携して展開していく」(秦CEO)ことが重要であるとして、パートナーエコシステムの強化を進める方針も示した。HUEに関する知見やOXYGのメニューに適した専門人材の提供を通じて、提供価値の最大化を図るという。