国産ERPを展開するワークスアプリケーションズは、パートナーとの協業体制を強化している。2021年にパートナービジネスを本格的に立ち上げてからパートナー経由の商談は毎年増加し、25年には全案件の30%を占めるまでに成長。製品開発の難航による経営悪化からの急回復を後押ししている。執行役員の外村卓也・プロダクトマネジメント本部本部長は「30年には協業案件比率60%を目指す」として、さらなる連携強化を進める。
(南雲亮平)
外村卓也 執行役員
主力製品の「HUE」は、主に売上高500億円以上の大手企業をターゲットとしたERPで、「ノーカスタマイズ」と「無償バージョンアップ」というビジネスモデルが特徴。一般的に、企業の複雑な業務にERPを導入する際は、多額のカスタマイズ費用と長期の導入期間を要する場合が多い。一方、HUEはさまざまな企業の業務知見や法改正対応、技術トレンドを無償バージョンアップとして標準機能に組み込んでおり、導入しやすい点が特徴だ。
外村執行役員はこの長所を生かし、起業時の理念である「日本の情報投資効率を世界水準に引き上げる」ため、パートナーとの連携を深め提案力を強化する方針を示している。パートナーとの取り組みは、多様な機能を単体ソリューションとして切り出し、より幅広い企業に対して提供し始めた21年に本格化。拡販に向けてエコシステム戦略を掲げ、パートナー企業との連携を推進してきた。同社のパートナープログラムは、代理販売や顧客紹介を担う「ビジネスパートナー」、販売から導入、コンサルティング、運用、保守まで一貫して行う「サービスパートナー」、独自製品・サービスと組み合わせて相乗効果を狙う「アライアンスパートナー」の三つある。
パートナー戦略の強化に向けては、大きく三つの計画を立てている。一つはマーケティング協業の加速で、共催セミナーの開催や共同での顧客開拓を進める。二つめはインダストリー戦略の強化。パートナーが有する業界知識や独自サービスとHUEのソリューションを組み合わせることで、業種特化型の提案を拡充する。三つめはスキル認定制度の設立。26年6月からコンサルタントやエンジニアを対象に開始し、製品知識や導入経験に応じて「スペシャリスト」や「プロフェッショナル」として認定することで、パートナー企業の技術力を客観的に証明する仕組みづくりを進める。
3月5日には、パートナーとの関係強化と、パートナー同士が相互に補完し合う関係をつくる場として、同社初のパートナー向けイベント「パートナーカンファレンス2026」を都内で開催。同社の展望や戦略を発信するとともに、パネルディスカッションなどで事例を紹介した。外村執行役員は、「初回なのでしっかり振り返りをして、今後も定期的に開催していきたい」と次回に向け意気込みを語った。