AI insideは10月6日、年次イベント「AI inside Conference 2026」を開き、AIの推論処理を担うデータセンター(DC)の建設に乗り出す方針を明らかにした。建設事業を手掛ける橋本ホールディングス(HD)と事業提携し、合弁会社の設立も検討する。また、主力のAI-OCRサービス「DX Suite」を刷新し、業務をAIに任せるための全社基盤として11月から提供する。AIモデルやソフトウェア、ハードウェアに加え、DCの建設段階まで事業領域を広げる。
AI insideは5月、国内の既存DCを活用して分散型AI推論ネットワーク「Sovereign Grid」を構築すると発表した。今回は橋本HDの建設能力とAI insideのAI基盤を組み合わせ、Sovereign Gridの拠点となるDC「AI Factory」の事業化を検討する。AI insideがSaaSからハードウェアまで、橋本HD側が建設などのファシリティー領域を担う。第1弾は静岡県焼津市にある橋本HDの自社ビルの一部をDC化する方向で検討している。
渡久地 択 社長CEO
渡久地択社長CEOは、既存DCではAI向けに必要な電力などの条件を満たせないケースがあると指摘。ソフトウェア会社がDC建設に踏み込むことへの戸惑いもあるとしながら、「行くべくして行くしかない」と語り、DC事業者との対話を通じて新設需要があると判断したという。
DX SuiteもAI-OCRから大幅に機能を広げる。書類の読み取りに加え、社内の規定や取引履歴などを参照して業務プロセスを組み立て、AIエージェントが業務を実行する。
デモでは注文書を読み取り、在庫不足を検知して分納案を作成。人の承認後、受注登録や在庫の引き当て、出荷手配まで進めた。渡久地社長CEOは「DX SuiteはAI-OCRではもはやない」とし、「業務のAI化を実現する全社のための基盤」と位置付けた。
(山本浩資)