02年2月下旬、国内においてもIBMと富士通が相次いでメインフレーム新鋭機を発表した。

IBM、チャネル依存で

 IBMの新モデルzSeries800はオープン価格だが、これまでの上位モデルz900に比べると価格は5分の1程度と推定されている。米国では35万ドル(4500万円)からといわれており、メインフレームとしてはきわめて安い。

 z800はLinux専用モデルも用意され、IBMはLinuxメインフレームの販売でエンタープライズにおけるLinux普及も狙う。

 国内ではメインフレーム出荷台数は年々減少し、IDCは01年国内メインフレーム出荷台数は前年比23%減の1756台と発表している。

 しかし、米国ではeビジネスの中核サーバーとしてメインフレームはUNIXサーバーとともに再び人気が高まっている。メインフレームの「Zeroダウン機能」は中断や停止を許されないeビジネスITでは必須条件と考えられるようになったからだ。

 米国メインフレームソフトのトップベンダー「コンピュウェア」が自社ソフト特許権侵害でIBMを提訴した。

 これもメインフレーム需要が米国では再度高まり、同社のソフト売上高が上昇しているからだ。

 IBMは01年12月決算で自社メインフレーム売上高が89年以来12年振りに上昇に転じたと報告した。

 eビジネスITの構築で先行した米国では、メインフレームの無停止機能をユーザーが求め始めている。

 米国メインフレーム市場では日立製作所、富士通が撤退したため、事実上IBM1社独占市場となり、IBMにとってはきわめて利益率の高いビジネスが可能となっている。 
そこでIBMは低価格メインフレームz800を投入し、これまでメインフレームを所有していなかった新規の中堅企業ユーザーを開拓することになった。

 そこでIBMが採用した拡販戦術が、z800を同社パートナー販売依存にすることであった。

 力のあるIBMパートナーはメインフレームを販売することでハードで高い利益を稼げ、しかもこのハード価格の5-6倍にもなるシステム構築などのITサービスが付帯し、パートナーには魅力的ビジネスとなる。

 IBMメインフレーム担当リッチ・レクナー副社長は次のように語る。

 「低価格メインフレームには膨大な需要が顕在化しており、下方マーケットへとどんどん拡大している。中堅企業すべてをIBM直販ではカバーできない。そこでIBMはz800の75%から80%はパートナー販売になることを期待している。上位のz900でも30%から40%はパートナー販売であったので、低価格帯域ではこの目標は達成される」

 IBMのメインフレーム専業SIer幹部は「マイクロソフトはメインフレームやUNIXサーバーが10年も前に実現した無停止機能実現に躍起になっているが、その間にこの市場は先行サーバーが独占する」と語り、米国でのメインフレーム市場の拡大を示唆している。(中野英嗣●文)