元気印のインテグレータ

<元気印のインテグレータ>第17回 日立情報システムズ

2002/10/28 16:04

週刊BCN 2002年10月28日vol.963掲載

ウェブ系はドンと伸びる

 日立情報システムズ(高須昭輔社長)は、この10月にウェブコンテンツ管理ソフト「ポータルプロデューサ・バージョン3」の販売を開始した。マクロメディアの主力アプリケーションサーバー「コールドフュージョンMX」上で動くコンテンツ管理ソフトで、日立情報システムズとしては、「ウェブアプリケーション事業を立ち上げる重要な製品」と位置づける。

 同社は基幹系システムには強いものの、フロントオフィス分野はこれから伸ばす領域。今回、新しいバージョンを出した「ポータルプロデューサ」は、コールドフュージョンMX上で動くアプリケーションという切り口で、これまで未開拓だったウェブ分野での新規受注を増やす。

 マクロメディアだけでなく、ウェブ系のベンチャー企業とも連携し、.NETやJ2EEに対応したウェブアプリケーションの開発も進める。今年1月には、ウェブ系ベンチャーとの連携を推進する目的で「ベンチャー技術連携推進会」をつくった。現在約50社のウェブ系ベンチャーと協力関係にある。

 具体的には、(1)コールドフュージョンMXを基盤として、フラッシュアニメーションやストリーミングなど、動的なウェブ開発を売り込む、(2)コンテンツ制作に必要なプロデューサーやデザイナー、コピーライターなどの仕事を、提携先のウェブ系ベンチャーと共同で請け負う、(3)コンテンツの運用・管理をするためのポータルプロデューサの拡販と、各社との連携のもとでウェブ事業の拡大を目指す。

 ソリューションサービス事業本部産業・流通情報サービス事業部流通設計部の三寺誠一主任技師は、「動的ウェブの提案から運用・管理まで、一括で受注できる体制を整えた。今年4月から本格的な営業を始めたポータルプロデューサの納入実績は、まだ2件程度に過ぎないものの、10月に発売したバージョン3は、発売後1年間で50社に納入し、同事業を軌道に乗せる」と強気だ。

 ポータルプロデューサは、案件単位で平均3000万円程度の商談規模になる。仮に今後1年のあいだに50社に納入したとすれば、推定およそ15億円程度の事業規模になる見通し。今年度の売り上げ1600億円を見込む同社からみれば、ほんの微々たる数字でしかないものの、「ウェブ系のフロントオフィス市場は、今後、ドンと伸びる分野。最初の立ち上がりは小さくとも、大きく育てる」と話す。(安藤章司)
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