大航海時代

<大航海時代>第22篇●新しき勇者たちへ 第59話 ベトナムの魅力

2002/11/25 16:18

週刊BCN 2002年11月25日vol.967掲載

 ベトナムの食事は大変おいしい。そして日本人向きのように思われる。中国には年に数回は行くという友人の話では、中国の料理のなかでも最も日本人向きのひとつにベトナム料理は近いであろうという。

高知工科大学 副学長 水野博之

 ベトナムの食事は大変おいしい。そして日本人向きのように思われる。中国には年に数回は行くという友人の話では、中国の料理のなかでも最も日本人向きのひとつにベトナム料理は近いであろうという。この国は昔から中国、外国からの侵攻になやみ続けた国であった。ベトナム独特の料理に、中国、フランスがまじって国際的なものになっていったのであろう。

 国民の平均収入は月給4000円といわれる。中国より低いが、あまりそんな感じがしないのは、これまたバイクの故に違いない。こんな所得でバイクが買えるのも物価が安いからである。気候は年がら年中、夏で、1日1度、午後スコールがサッとやってくる。米は三毛作だ。かつて小学生の頃、教科書で高知県は二毛作だ、と読んで、えらく感動したことがあるが、三毛作とはねぇ。輸出は一番が米、二番がゴムである。

 ホーチミン郊外に出ると美しいゴム林がつづいている。ゴム林の横をまたバイクが走っている。典型的な農業国家とバイクというのがベトナムの特徴であろう。街では白人はあまり見かけない。外人といえば日本人のグループだ。若い人が多い。たまに白人を見かけると、皆、手と手をとり合ってキョロキョロと横断の機会をうかがっている連中ばかりである。

 朝、食卓で隣り合ったオーストラリア人曰く。「まあ、大変なもんだな。結婚して30年、こんなに女房にしがみつかれたことはたえてなかったな。あの道路横断だけは心臓に悪い。ほかはほんとうによい国なんだがねぇ」と大息した。それはそうであろう。あのオーストラリア大陸からやって来たらまあ神経にこたえることであろう。傍らの奥方曰く。「私のところはオーストラリアの西の方で、家のまわりには何もありません。あるのは赤い大地だけ」。それではねぇ。 (ホテルサイゴンにて)
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