これまで説明してきたように、HDD消去に関する問題を解決するためには、個人への注意喚起はもちろん、関連する業界団体や企業全体への注意喚起も必要である。そのために、電子情報技術産業協会(JEITA)が中心となり、各関係団体や企業に対し、以下のような協力依頼を行っている。今回は、それについて紹介しよう。

JEITA非加盟のパソコンメーカー

 JEITA非加盟のパソコンメーカーに関しては、HDD消去に関する問題点や対応策などの趣旨を説明し、JEITA加盟のパソコンメーカーと同様に「データの消去はユーザーの責任である」ことをユーザーに対して注意喚起をし、データの消去に関する情報をユーザーに提供していくよう求める。

リース・レンタル業

 リース・レンタル業に関しては、「データの消去はユーザーの責任である」ことを書類に記載する。さらに、リース・レンタル期間終了時に、改めて注意喚起し、データ消去の確認をする。

リサイクル業と中古を扱うパソコン販売店

 リサイクル業や中古販売に関しては、HDDやHDDを含む機器の廃棄・買い取り時に、ユーザーに対して注意喚起や適切な処置を行う。

消去ソフトと同サービス

 ユーザーとのトラブルがないように対策形式やリスク、必要時間などを提示するなど、正しい理解が得られるように実務面で工夫する。ユーザーに対して、データ消去に100%の責任をもつことが不可能であるということと、「社会的な影響とプライバシー保護のための万一の場合の安全策である」という認識を促すよう努める。

 以上のように、関連団体に対してガイドラインに沿った協力を求め、現在もHDD消去の重要性やデータ流出の危険性について情報提供を行っている。もっとも、現状では、十分その重要性が認識されていない。しかし、今後も引き続き同様の協力依頼を行っていくことによって、各事業団体や企業のデータ流出に対する意識が少しずつ高まってくるだろう。さて、約3か月続いたこの連載だが、次号ではいよいよ最終回を迎える。

 最終回では、データ流出の現状に加え、今後の課題についてお話しようと思う。(有限会社マイカ 取締役 井上真花)