今回は、ソフトウェアのライセンスに関する「1単位」の処理について説明する。(日本パーソナルコンピュータソフトウェア協会(JPSA) 税務委員会委員長 税理士 根岸邦彦(監修))

 ITをまったく導入していない環境に、経理システムを導入した事例をもとに、説明していこう。今回の事例のポイントは、販売管理ソフトの価格が5ユーザーで35万円となっている部分にある。

 資本金1億円以下の中小企業の場合に限っては、今年4月1日より特定情報通信機器の即時償却制度により追加された、少額資産減価償却の損金算入特例制度によって、ハード・ソフトとも30万円未満の取得価格のものは全額損金として処理することができるようになった。

 今回の場合、販売管理ソフトの合計額35万円をユーザー数で割ると、1ユーザー分は7万円ということになる。7万円であるから損金処理ができるのか。もしくは、全体の価格35万円ということで資産計上しなければならないため、IT投資減税の適用の方向で考えるべきなのか。どちらを選択すれば良いのか悩むことになる。

 これは、税法解釈の上では少額資産の「1単位」の範囲に関する問題である。

 ソフトウェアは、従来の税法では「繰延資産」であり、法人税基本通達により「1つの契約」が1単位とされていた。つまりこの場合、7ユーザーを1つの契約とみなされる可能性があった。それが法人税法施行令改正で、ソフトウェアが無形固定資産に帰属する減価償却資産の区分とされたことによって、1単位の位置づけも変わり、機能を発揮できる“一揃い”ごとに判定されるようになった。

 販売管理ソフトは、それぞれのパソコンにインストールし、独立して使用するものであり、単体で機能する。従って、今回の事例では、35万円を5分割して、IT減税を使わずに、少額資産減価償却の損金算入特例制度での全額損金処理を選ぶことができるといえる。