日立ソフトウェアエンジニアリング(日立ソフト、小川健夫社長)は、独自に開発した.NETフレームワーク用ミドルウェアを駆使し、ウェブアプリケーションの開発に力を入れている。

.NETへの対応急ぐ

 ウェブアプリケーションは、出入力端末に専用クライアントソフトをインストールする必要がない。パソコン、携帯電話、携帯情報端末(PDA)などを使って情報の出入力ができ、柔軟性の高い情報システムを構築できる。

 だが、開発には手間がかかっていた。これまでは、端末の仕様や使い心地に合わせて裏方の業務システムを作り込む「一体型の開発」だったため、仕様変更や機能修正に手間がかかり、開発効率が悪かった。

 これを解決するために、ミドルウェア「エニーワープフォードットネットフレームワーク」(以下エニーワープ.NET版)を今年3月、独自に開発。このミドルウェアは、端末の違いを吸収するため、「業務システム本体」(バックエンド)と「入出力する端末側」(フロントエンド)のシステムをそれぞれ別に開発を進めても全体の整合性がとれるようになった。これにより、画面デザインの変更など、追加修正への対応が容易になり、開発効率を大幅に高められる。

 日立ソフトがウィンドウズプラットフォームへの対応に力を入れるのは、これまで主にマイクロソフト製品を切り口として独自の顧客を開拓してきたからだ。一方、メインフレームやUNIX、Javaなどの非ウィンドウズ系プラットフォームの商談は、日立製作所経由での比率が多いという。

 本間孝一・ソリューションビジネス推進本部エックスビジネスソリューションセンタ長は、「マイクロソフトと手を組んだことで、独自の顧客を開拓できた。これまでJavaでしか考えられなかった大規模で高度なシステムを.NETフレームワーク上で構築する案件が急増している」という。

 しかし、エニーワープ.NET版が完成したものの、日立ソフトがもつ多様な業務システムのうち、実際に.NETフレームワークへ対応したアプリケーションはまだ全体の一部に過ぎない。現在、急ピッチで移行作業を続けており、今年度(2004年3月期)末までには、EAI(企業内アプリケーション統合)システムなど、売れ筋製品を中心に全体の2-3割を、エニーワープ.NET版を活用して.NETフレームワークへと移行させる方針だ。(安藤章司)