米国ではサーバーに続いて、デスクトップパソコンでもLinuxがウィンドウズを代替する時期が近いと期待するSP(ソリューションプロバイダ)やユーザーが多くなっている。2003年秋にはサン・マイクロシステムズに続いてレッドハット、SuSE(スーゼ)などから、従来より強化されたデスクトップLinuxが発売されるからだ。TCO(所有総経費)削減ムードが高まるなか、大企業、SMB(中小企業)を問わず、マイクロソフトの高いソフトライセンス料への反感も高まっている。

動き出す移行計画

 このような市場の期待に対応するため、レッドハットは03年秋に企業向けに「デスクトップLinuxクライアント」を発売予表し、マイクロソフトオフィスのファイルフォーマットと互換であると説明している。SuSEは03年3月に5年ライセンス料600ドル(7万2000円)の「エンタープライズデスクトップ」を発表した。サンは従来から予告しているLinuxデスクトップ「Mad Hatter(マッドハンター)」を03年秋に発売する。Mad HatterはJavaが使え、新版スターオフィス6.1、ブラウザ「モジラ」、グノームインターフェイスに加え、電子メール、カレンダリングアプリケーションで構成される。

 現在米国では、大企業でもデスクトップLinuxへの移行を急ぐケースが見られる。例えばヘルスケアなど大量のパソコンを使うが、その使用はヘルケア会員を顧客とするCRM(顧客情報管理)のデータベース検索に限定される。のように、パソコン利用が限定される場合は、フル機能オフィスは不要で、Linuxでも十分間に合う。このような動きを見て、一般の企業でもTCO削減のため、Linux移行を計画する動きが強まっている。オープンソースコンサルティング「オライアングループ」のクリス・マレスカCEOは、「Linuxへの移行を急ぐクライアント顧客が多いが、もう1年から1年半待ちなさいと、忠告することにしている」と語る。

 同CEOは、「Linuxデスクトップスイートは、より多くのスケジューリング、プロジェクトマネジメントなどの企業アプリケーションが必要だが、現在は十分に揃っていない。しかも、Linuxでは簡単にアプリケーション開発できる環境が整っていない。しかし、多くのISV(独立系ソフトベンダー)が開発を進めているので、04年後半にはデスクトップLinuxは力強く離陸する可能性が高い」と分析する。

 アナリストもLinuxがデスクトップでもサーバーで成功したように急速に立ち上がるのは難しいと考えている。しかしそれは時間が解決し、マイクロソフトがLinux対抗のため、オープンソース化など思い切った手を打たないと、いずれデスクトップもLinux時代が来ると予想する。マイクロソフトのビル・ゲイツ会長は、Linuxに対し強気の姿勢を崩さない。しかし同社のジョン・コノアーズCFO(最高財務責任者)は、「デスクトップLinuxは独禁法に次ぐ、当社にとって第2の脅威だ」とウォールストリートで説明している。(中野英嗣●文)