“一技の長”を探る システム構築ビジネス争奪戦

<“一技の長”を探る>26.ソフトウェアジェネレーション

2003/10/20 20:43

週刊BCN 2003年10月20日vol.1011掲載

 ソフトウェアジェネレーション(本村昭二社長)は、レガシーマイグレーション事業を、来年度(2005年3月期)から立ち上げる。同社は汎用機を中心としたソフトウェアの解析ツール「レスキューGUI」を開発しており、これを活用したレガシーマイグレーションを事業化する。

レガシーマイグレーション事業を立ち上げ

 「レスキューGUI」は、例えば、消費税率の変更など既存の情報システムを手直しするときに使う解析ツールとして開発。これを活用して、何万ステップというソフトウェアの記述のなかから変更箇所を見つけ出すサービスをここ10年来提供してきた。

 今回のレガシーマイグレーション事業では、この技術を応用し、古いソフトウェアをオープン環境へ安価に手直しできるようする。来年度から、実際に「レスキューGUI」を使ったレガシーマイグレーション事業を始める。

 レガシーマイグレーションとは、新しいパッケージソフトを導入したり、Javaなどで新しく直す方法である。

 しかし、大企業になればなるほど、パッケージがそのまま使えることは少なく、導入後に巨額のカスタマイズ費用が発生することも珍しくない。また、業務内容がさほど変っていないのに、新しくJavaで作り直すと費用対効果が合わなくなることもある。

 本村社長は、「汎用機などで動くレガシーシステムを解析し、これをオープン環境に適応できるよう自動的に書き換えることができれば、これまでのソフトウェア資産を継承しつつ、オープン化への費用や維持・運用コストを大幅に削ることができる」と話す。

 従来、「レスキューGUI」は、法改正に適応するなどの“手直し”を中心とした保守サービスの現場で使われることが多かった。来年度以降は、これをレガシーマイグレーションにも応用させることで、収益の拡大を目指す。

 今年度(04年3月期)の売上高見込み約5億円のうち、「レスキューGUI」を使った解析事業は、全体の約2割を占める。その他8割は、内田洋行のERP(基幹業務システム)「スーパーカクテル」の販売や、情報システムのアウトソーシング、受託開発などが占める。特に、ソフトウェアの受託開発は売上高の約半分を占めている。

 今後は、「レスキューGUI」関連の売上高を高め、相対的に受託開発の比率を下げることで、収益基盤の安定化および売上増大を目指す。(安藤章司)
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