“一技の長”を探る システム構築ビジネス争奪戦

<“一技の長”を探る>28.ゼネラル・ビジネス・サービス

2003/11/03 20:43

週刊BCN 2003年11月03日vol.1013掲載

 ゼネラル・ビジネス・サービス(加藤章社長)は、日本IBMのビジネスパートナー向けスキルトランスファー事業を強化する。「スキルトランスファー」とは、新しい技術や技能を研修などを通じて広めるビジネス。同社がこれまで培ってきた研修ネットワークを活用し、効率のよいスキルトランスファーを行っていく。

スキルトランスファー網を構築

 同社は、1993年に日本IBMのビジネスパートナーの研修サービスなどを手がける会社として設立。以来、全国約200社あまりのビジネスパートナーとのネットワーク作りに力を入れてきた。また一方で、同社自身でもソフト開発やシステム開発を98年頃から本格的に始めており、これまでに蓄積したノウハウを日本IBMビジネスパートナー向けにスキルトランスファーしていく考え。

 加藤社長は、「当会社は、もともと日本IBMビジネスパートナーの販売支援活動を中核とする会社として立ち上がった。今後は、この役割をより発展させ、“情報発信基地”としての機能を強化する」とし、新しい技術や技能を提供する“情報センター”の役割を担う考え。

 同社では、例えば、エス・エス・ジェイのERP(基幹業務システム)パッケージ「スーパーストリーム」などいくつかの商材を扱っている。最近では、これらアプリケーションパッケージのシステム構築ノウハウの提供にも積極的に取り組んでいる。オープン化の時流もあり、スキルトランスファーの内容はオープン系システムの比率が高まっているという。

 ゼネラル・ビジネス・サービスは、社員数約120人。主に首都圏を主な営業範囲としている。このため、スキルトランスファーを全国規模で展開するための協力パートナーを増やす方針。すでに、愛知県のシーアイエスや、兵庫県のコベルコシステムから協力を得ている。今後は、協力パートナーを増やしつつ、スキルトランスファー網の拡充に力を入れる。

 同社は、日本ビジネスコンピューター(JBCC)が約17%、日本IBMが約8%出資するIBMのグループ会社。売上構成比は、日本IBMビジネスパートナー向けの研修サービスが約1割、ソフト開発やシステム構築、スキルトランスファーなどソリューション系のビジネスが約5割、その他4割は、日本IBMからのアウトソーシングなどが占める。

 今後は、IBMグループ内における、特色ある位置づけをフルに生かしたビジネス展開を、より強化していく。(安藤章司)
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