多様化するセキュリティビジネス 各社の戦略を追う

<多様化するセキュリティビジネス 各社の戦略を追う>16.コンピュータ・アソシエイツ

2003/11/24 20:43

週刊BCN 2003年11月24日vol.1016掲載

 コンピュータ・アソシエイツ(CA)のセキュリティ製品は、アンチウイルスからクライアント管理ソフトまでカバー、製品数も23種類と豊富だ。だが、そのラインアップが逆にデメリットになっている部分もあったという。坂本健太郎・営業・マーケティング統括本部マーケティング本部マーケティング部エンタープライズマーケティンググループビジネスディベロップメントマネージャーは、「幅広い製品数を揃えていることが、逆にそれぞれの製品の細かな強みや特徴を伝えにくくしてしまい、差別化要素をアピールできずにいた。また、複雑なイメージを与えていたことも否めない」と打ち明ける。

情報漏えい対策を軸に

■“マネジメント”がキーワード

 そこでCAでは、幅広い製品群の中から、“内部情報漏えい対策”製品を前面に押し出した拡販戦略をとった。各クライアントのアクセス管理・監視機能や、サーバー上のデータ保護機能を提供するマネジメントソフト「eTrust Access Control(イートラストアクセスコントロール)」を、同社のセキュリティビジネスの中核製品として位置づけている。同社では、セキュリティビジネスを展開し始めた当初から「イートラスト アクセス コントロール」を手がけており、ワールドワイドでトップシェアを獲得する同製品をユーザーに入り込むきっかけにし、その実績をもとに他の製品の拡販へとつなげていきたい考えだ。

 これまでのプロモーション活動においても、「マネジメントのCA」というイメージを打ち出しており、豊富な製品群は“ニの次”といった印象だ。「製品が多様化するなかで、まずは『ここが売りだ』と、強みを分かりやすく伝えていく」(坂本マネージャー)という。この戦略は日本独自のもので、坂本マネージャーは「個人情報漏えい事件や個人情報保護法の成立などで、ユーザーの意識は高まっている。今後国内で最も成長が期待できる分野」と、内部情報漏えい関連の市場を分析する。「セキュリティビジネスの約70%はアンチウイルスやファイアウォールなど、外部アタックからの防御関連製品が中心」(同)であることから、「まずは啓蒙活動」という考えで、各企業の経営者を中心としたセミナーや、マネジメントの必要性を訴えるプロモーション活動にも積極的に取り組んでいる。(木村剛士)
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